今週の米国男子ツアー「ウェイスト・マネジメント・フェニックス・オープン」開幕を翌日に控えた3日、ローリー・マキロイ(北アイルランド)が会見に臨んだ。ここで先日R&Aと全米ゴルフ協会(USGA)が発表した“飛距離制限“に向けての新たなルール作りについて、「時間とお金の無駄だ」とバッサリ切り捨てた。
これが飛ばしの技術が詰まったマキロイのドライバースイング【連続写真】
それは会見の最後に起こった。この大会初出場となるマキロイには、試合に関することや、前週の「ファーマーズ・インシュランス・オープン」で起きたパトリック・リード(米国)のルール問題に関する質問が集中。それで終わるかと思われたところに、マキロイが自分から「誰も道具について聞かない…」とつぶやいたのだった。その声には驚きと落胆があった。
もちろん、ゴルフ界としてはマキロイの意見は聞きたいところ。そして、こう見解を述べた。「R&AとUSGAはゴルフ人口のほんのわずか0.1%にしか満たないプロゴルフの制限に、とてつもない時間と費用を費やしている」。
ゴルフ総人口のほとんどは“楽しみ”のためにプレーしている人たちが占めている。彼らのボールやクラブを制限する必要はまったくなく、「その費用をもっともっと子供たちや新たなゴルフ人口を増やすことに使うべきだ」というのがマキロイの持論だ。
USGAのマイク・デービス会長が「新しいルールはこれから数100年のゴルフを守るもの」とコメントしたことについても、「飛距離のレポートはゴルフを守るものではない」と否定の立場に立った。
両団体は“ローカルルール”として、プロやハイレベルのアマチュアのトーナメントではクラブやボールの規制をすることを提案。今後、用具メーカーなどからの意見を募るとしている。
これに対して世界1位にも立ったことがある名手は、「プロのプレーを難しくしたいとしても、プロはその中で技術を磨いていく」という。さらに「どんな規制を設けてもクラブメーカーはまた違う方法で飛距離が出るクラブ、ボールを作る方法を見いだす。それだけ彼らは素晴らしい」と、新ルールがあまり意味をなさないことを強調した。(武川玲子=米国在住)
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