今やYouTubeやSNSで何かと話題の「モーニングルーティン」。毎朝の決まった時間に決まった行動をとることを指す言葉だが、プロゴルファーの朝にもアマチュアが学ぶべき点がたくさん詰まっている。そこでプロのモーニングルーティンを紹介。今回は2021年の国内女子ツアー初戦「ダイキンオーキッドレディス」初日の渋野日向子の朝に密着!
初日は10時54分と遅いスタートだった渋野。会場には約1時間40分前の9時15分に到着。9時30分にクラブハウスから出てきてパッティンググリーンから“モーニングルーティン”を開始した。
まずは細かい距離は決めず、15〜20メートルほどカップに向かって転がしてグリーンのスピードをチェック。様々な場所から7回ほど転がした。カップに向かって打っては残った距離を入れてという感じで練習は進んだ。このときは大西葵と談笑するなどリラックスムードだ。
そこからアプローチ練習場に移動、ウェッジを2本持って約15ヤード、約30ヤードと様々な場所から基本のアプローチを繰り返した。時には同じ距離を違うロフトのウェッジで打つこともあった。回数にして約10〜15ヤードを15回、約20ヤードを5回、約30ヤードを4回。それ以外にたまにロブのような浮かしたアプローチをときおり混ぜた。また、合間合間で2つのバンカーに入り、計8回ほどバンカーショットを確認した。この時点で9時53分。
ドライビングレンジに移動してショット練習を開始。ここでもウェッジを持つ時間が長い。1本目で30ヤードを6回、50ヤードを3回、75ヤードを5回。ウェッジを替えて80〜90ヤードを5回、さらにウェッジを変えて90ヤードを7回。ここでさらにクラブを変えて、105〜110ヤードを8回。このときの5球目に動画を撮ってシャローイング(クラブの軌道)の確認を行っていた。
さらに番手を変えて140ヤードを4回、番手変更で155ヤードを5回。ここで今年からの新兵器となっている『G425』の6番アイアンで170ヤードを6回打った。次にユーティリティに持ち替えて180ヤードほどを3回、5番ウッドを6回、ドライバーを4回で終了。明らかにウッドの球数よりもウェッジが多かった。この時点で10時23分、約30分ドライビングレンジで過ごした。
一度クラブハウスに戻り10分後にもう一度姿を見せると、1番ティ近くの練習グリーンに移動。ここでは同じ距離を続けて打つのではなく5メートル、1メートル、10メートル強と様々な距離を順繰りに転がした。最後は約5〜8メートル前後と1〜2メートルを約12分ほど繰り返し、10時50分にスタートに備えて1番ティへ移動していった。
昨年までとの違いとして目立ったのがウェッジの練習の多さ。そのぶん、ウッド、そして練習グリーンで過ごす時間が短くなったように感じた。このオフに練習したという100ヤード以内のショット、アプローチを継続して行う、目の前の試合だけでなくその先への“成長”への取り組みを感じさせるモーニングルーティンだった。
【渋野日向子、ダイキン初日の朝の練習】
・練習グリーン <約10分>
ロングパット中心に距離は様々、スピード感の把握
・アプローチ練習 <10分>
ピッチエンドラン、ときおりロブ系、バンカーショットをはさみ、様々な球を打ち分けた
・ショット練習 <30分>
長いクラブはほとんど打たずに、ウェッジ中心で短いクラブを多めに打った
30y 6球
50y 3球
75y 5球
90y 5球
105〜110y 8球
140y 4球
155y 5球
170y 6球
180y 3球
200y 6球
230y 4球
・練習グリーン <12分>
決まったルーティンというより、ショートパットからロングパットまで、まんべんなく打っていた
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