<明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント 初日◇12日◇土佐カントリークラブ(高知県)◇6228ヤード・パー72>
1番パー4(330ヤード)のティショットから、同組ふたりの飛ばしっぷりには驚かされた。初日に渋野日向子と同組で回ったのは、原英莉花と勝みなみ。もともと飛ばし屋の原に加え、昨年から大幅に飛距離アップした勝がスタートからエンジン全開だった。
ドライバーを振った1番ティショット。勝は渋野のはるか先を行き、ただ一人約270ヤード地点にあるカート道を越えていた。「キャディさんからカート道を越えたよと聞いて、“本気で言ってるの?”って。行ってみたら本当にあった」が渋野の反応だった。1番に限らず、この日はほぼ2人に飛距離のアドバンテージを許すホールが続いた。
それでも焦ることはなかった。「自分が飛ばないというより、2人が飛びすぎると思っているので(笑)、欲を出さないようにしていました」と自分のスタイルは崩さない。「飛距離を求めてしまうとスイングが崩れてしまう可能性があるので、まずはスイングを作ることを大切にしたい」と今はまだ、スイング改造の途中と一呼吸おく。
ショットの距離感が合わずにロングパットが残る場面もあったが、しぶとく耐えて3バーディ・1ボギーの「70」と2アンダーでフィニッシュ。10位タイと、2週連続の上位争いに向けて好スタートを切った。
「上位で戦えているのは、正直予想外ではあります。まだスイングもセッティングも新しくして間もないので。でも、まだまだできるとしか思っていない」と、期待以上の成果が出ているようだ。
この大会には2019年が初出場。当時はまだレギュラーツアーも2試合目、「何も考えずのびのびやっていた」と振り返る。そこで初の予選通過とトップ10入りを果たしたのを皮切りに、同年に国内4勝、海外メジャー制覇と弾みをつけた。“原点”ともいえる大会のひとつ、今年は“新生”渋野として飛び出す準備はできている。(文・谷口愛純)
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