予選の2ラウンドを別コースで行い、上位30名が翌週の「マスターズ」の会場オーガスタでの決勝ラウンドに進む異色のアマチュアトーナメント「オーガスタナショナル女子アマチュア」が今年も3月31日から行われる。前回大会では安田祐香、笹生優花が3位に入る活躍を見せた戦い。今年出場する上野菜々子に話を聞いた。
上野は安田と同じ2000年生まれ。アマチュア大会はもちろん、18年の「大王製紙エリエールレディス」での優勝争い、19年には予選会を勝ち抜いて海外メジャー「全米女子オープン」に出場するなど、プロのトーナメントでも活躍している。コーチはともに出場する梶谷翼と同じ青木翔。そんな20歳は大一番を前に何を思うのか。
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――出場が決まったときの気持ちは?
信じられない! という気持ちですね。今シーズンの予定を立てていく上で入っていなかった試合なので、年始に出場が決まったときは本当に衝撃的でした。(出場の)メールがきた時は寝られなかったですね。うれしいが一番ですけど、信じられないが2番ですね。
――ご家族は?
メールが来ていた時は寝ていたので、次の日にすぐ言いました。コーチの青木翔さんにもメールをスクリーンショットしてすぐ連絡しました。「どういうことなんでしょうか?」って言って(笑)。周りのみんなも半信半疑だったんじゃないかなと思います。
――青木翔さんからは何か言われましたか?
「うそでしょ」って(笑)。本当は青木さんにもアメリカに付いてきていただきたかったのですが、帰ってきた後の2週間の隔離期間もありますし、他の選手の方もいるので断念しました。「できる準備はやって行こうね」と言ってくださいました。
――海外への迷いやプロテストを控える中での出場に不安はありませんでしたか?
全くなかったです。オーガスタという舞台に関しては、正直プロテストをパスしてでも行きたいという気持ちでした。コーチの青木さんとお話して、「隔離期間もあるし、テスト前だけどどうする?」という話も出たけど、私は行かなかったら100%後悔するという確信がありました。出られるなら出たいという気持ちでしたね。
ゴルフ人生の中でアマチュアのときにしか出られない試合なので、惹かれるものしかない。出たから後悔することはないと思いました。
――オーガスタというコースのイメージは?
テレビでしか見たことがないのですが、面白そうなコースだなと思っています。グリーンの傾斜を使って寄せたり、戦略的というかお客さんを楽しませるコースだなという印象が強いですね。楽しそうだなという印象しかありません。
私がゴルフを始めた7歳くらいの少し前から父が見ていたんです。そこでタイガー・ウッズ選手が優勝する場面を見て、「私も回りたい」と言っていたんですけど、年齢を重ねるたびに無理だということが分かってきて。そこに立てると思うと、信じられないです。
――印象に残るマスターズは?
やはりおととしのタイガー・ウッズの復活優勝ですね。ちょうどステップ・アップ・ツアーに出ていた時、終わった次の日がマスターズの最終日でした。泣きましたね。とにかく震えたのを覚えています。
――アメリカの印象は?
ゴルフ以外でも憧れがありますね。アメリカの映画やテレビ番組も好きで、特にお気に入りなのが『ハイスクールミュージカル』。学校での勉強の仕方とか方針や環境などがすごく興味深いです。去年、初めてグランドキャニオンに行って。そこにいったときに自分ってすごく小さいんだなと感じました。そういった世界遺産にも、アメリカにいる人にもすべてに憧れがある。いつか自分の力で行ってみたいと思う場所でした。
――緊張しそうですか?
実際に立つと震えるかもしれないですし、楽しいという気持ちが勝つかもしれません。今は楽しみが勝っていますね。エリエールや全米女子オープンでは緊張しなかったですが、その時からは変わっているかもしれません。
――目標は?
まずは決勝ラウンドに行ってオーガスタでプレーすることですね。そこから先は通ってから考えたいですね。まずは予選ラウンドを通過するために準備していきたいです。
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