<東建ホームメイトカップ 2日目◇16日◇東建多度CC・名古屋(三重県)◇7081ヤード・パー71>
2つ上の先輩が金字塔を打ち立てる瞬間を、何度も目の前で見届けてきた。2018年「アジア・パシフィックアマチュア選手権」で、松山英樹以来の日本人優勝を挙げたとき。翌年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で、史上4人目のアマチュア優勝を決めたとき。
中島が目標として挙げた「アジアアマで勝ってマスターズに行く」、「アマチュアでのツアー優勝」、「世界アマチュアランキングで1位になること」は、金谷拓実が先にたどった道だ。「今までたくさん背中を見て、成長してきた」と追いかけてきた存在を、ついに超えるチャンスが巡ってきた。
首位と3打差からスタートした2日目。「3日目の天気が悪いというのはわかっていたので、この2日間で伸ばしたいと思いすぎた」とスタート直後は力みが入ったが、それも前半まで。2ホール目でラフに捕まってダブルボギーを喫したが、前半をイーブンパーでまとめて折り返した。
「ショットが段々よくなった」と、後半2番パー4では109ヤードからOKバーディ、4番パー5でアプローチを寄せてバーディ。5番パー4は「完璧なラインで入りました」と、105ヤードからの2打目がピン手前1メートル弱に落ちてショットイン・イーグル。6番でも9メートルをねじ込んでバーディを奪い、後半「30」のチャージでトータル8アンダー、ホールアウト時点でトップに立った。
「金谷さんと、最終日最終組でプレーさせていただきたい」。その言葉を聞いていたかのように、午後組でスタートした金谷が中島を1打上回る「65」をマーク。トータル10アンダーで単独首位に抜け出し、中島は2打差の単独3位で決勝ラウンドを迎える。
日本を代表するアマチュアとして、ナショナルチームで世界の舞台を踏んできた2人。後輩とはいえ、金谷から見た中島は「仲の良い友達」であり、「ライバルみたいな存在」だという。
2日目はキム・キョンテ(韓国)のコロナ陽性が判明し、3日目が中止に。最終日の競技が行われるかどうかはまだ不透明な状況だが、安全が確認されて実施となれば、中島の希望通り金谷との最終組での優勝争いが実現する。
「どんな状況でも、気持ちだけは負けないように」。追いかけてきた背中に並ぶ日は、そう遠くない。(文・谷口愛純)
【過去のアマチュア優勝者】
倉本昌弘(1980年 中四国オープン)
石川遼(2007年 マンシングウェアオープンKSBカップ)
松山英樹(2011年 三井住友VISA太平洋マスターズ)
金谷拓実(2019年 三井住友VISA太平洋マスターズ)
<ゴルフ情報ALBA.Net>