<フジサンケイレディス 事前情報◇22日◇川奈ホテルゴルフコース 富士コース(静岡県)◇6439ヤード・パー71>
2019年の「大王製紙エリエールレディス」以来、約1年半ぶりのツアー出場を果たす佐伯三貴が公式会見に臨み、“復帰”を翌日に控えた現在の心境などを語った。また“最強応援団”から、激励の言葉をもらったことも明かした。
「どうなるのか自分でも分からない。ただ私は川奈が大好き。ここに戻って戦えるのは楽しみです」。本番直前の練習ラウンドを終え、穏やかな笑みを浮かべながら話す。今の自分が、どこまでツアーで戦えるかについては「宝くじ」と表現するほど未知数。だが、ここは2007年にツアー初優勝を挙げた地で、さらに13年に2度目の優勝盾も手にしているだけに、いいイメージも大きい。
今年3月に出場を決意。そこからトレーニングや打ち込みと急ピッチで調整を進めた。「1ホール、1ホールできることを精いっぱい。失敗しても恥をかいても最後までやれれば」と、今の状態でできる最大限をコースで発揮する。
プレーする姿を見せたい人々がいるから、決断した。復帰を決めた1つの理由に、現在指導する教え子たちへの思いがある。ツアー選手では木戸愛や田辺ひかり、沖せいら、菅沼菜々、また母校の東北福祉大でも指導者として後進の育成にあたる。そんな教え子たちに、「口だけではなく行動、姿勢をみせたかった。無謀かもしれないけれど、チャレンジすることで彼女たちが何かを感じてくれれば」というのが、大きなモチベーションになる。
また、足しげく通う仙台、東北への思いも強い。「東日本大震災から10年。挑戦することで東北の方に伝えることができれば」。“試合出場”を期待する言葉をかけてくれた人たちのことも思い浮かべながらのプレーとなる。
大学の後輩でもあり、日頃から親交の深い松山英樹も佐伯にエールを送る一人だ。マスターズ制覇後に電話で連絡を受けた時には、「『僕も勝ったので、三貴さんも勝ってください』って言われました。冗談まじりですけどね(笑)」。さらに前日21日にも電話で「楽しんできて」と再度背中を押された。
「攻め方も変わる。無理はしない。(以前は)2オンを狙ったホールでも、いい距離を残して3打目勝負」と、当時とはプレー内容も大きく変わりそう。目標については「始まってどういうメンタルか分からないので、臨機応変に」というが、「やるからには上を目指して」という言葉も忘れない。開幕すればその目は、勝負師のそれに変わりそうだ。
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