<フジサンケイレディス 事前情報◇22日◇川奈ホテルゴルフコース 富士コース(静岡県)◇6439ヤード・パー71>
海外女子メジャーの「ANAインスピレーション」に出場。帰国後、14日間の隔離を終えた原英莉花が川奈にやってきた。大会前日の木曜日は、練習ラウンドで18ホールを回り、急ピッチの仕上げを行った。数年前からときどき発症するというぎっくり腰を発症し万全の状態ではないものの、「試合に出られるのはうれしいです」と、ホテル暮らし明けの試合では気持ちも上がってくる。
ANAでは思うようなゴルフができずに、「恐る恐る、試合を運ぼうとしていた。『頑張りたい』と『恐る恐る』の気持ちがうまくマッチングしていなかった」と不調の理由を分析する。これからは「どれだけ戦闘モードにもっていけるか」と攻めのゴルフを取り戻す構えだ。
そして隔離明け初日の水曜日にはジャンボ邸を訪れ、師匠に帰国の報告もしてきた。それだけではない。かつては男子ツアーの「フジサンケイクラシック」が開催されていた川奈を大得意としていたジャンボに、こんな質問もぶつけてみた。「どうやったら攻略できるんでしょうか?」。そこで帰ってきた答えは、『上りの逆目だよ』。このひと言を原はどう受け止めたのか。
「きっと『自分で答えを探してこい』ということだと思います。きょうはそれを探しながらやっていました」と、久しぶりのラウンドは答え探しの18ホール。春芝ラフからのアプローチの感触とともに、ジャンボからの助言を頭に入れつつの短い準備時間だった。
そのジャンボは、川奈で行われた1987年のフジサンケイクラシックで日本のゴルフ界を沸きに沸かせた。最終日の16番、そして17番と連続チップインでイーグル、バーディ。見事に優勝を収めた。これについては「意味が分からないです(笑)」と、実際の現場を見ても実感が湧かないほどの奇跡的なアプローチ。「乗り移ってほしいです(笑)」と笑うが、ジャンボ伝説と同じ場所からの寄せも、もちろん予習済みだ。
昨年はメジャー2勝で一気に花開いたが、ことしはやや足踏み状態が続く。そんな状態を打開するためにも、ジャンボ譲りのド派手なパフォーマンスで、上位争いに顔を出してみせる。(文・高桑均)
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