<関西オープンゴルフ選手権競技 2日目◇23日◇有馬ロイヤルゴルフクラブ ロイヤルコース(兵庫県)◇7103ヤード・パー71>
53歳になった谷口徹が初日に続いて「66」をマークし、21歳の石坂友宏に並ぶトータル10アンダー・トップタイで決勝ラウンドに駒を進めた。ラウンド後はプレーだけでなく口のほうも絶好調。同組だった23歳下の秋吉翔太をいじり倒した。
10番パー5でのドライバーのティショットでは、谷口はあとちょっとで秋吉をアウトドライブするところだった。「きょうはアイアンだけでなく、ドライバーもだいぶいいショットが増えてきた。あと2ヤードくらいほしかったですよね。あいつは順目で転がって、僕は逆目で。それでこれくらい」と両手を広げて笑う。
初日には秋吉より飛んでいるホールもあったが、この日は一つも勝てず。それでも「スコアがいいので、そんなことしたらかわいそうだなって」と笑いとるところが谷口らしい。予選2日間で秋吉に5打差をつけて上機嫌だ。
朝イチの1番パー5では、「4番アイアンで軽めに振って」2オンに成功。約10メートルのイーグルパットは1メートルショートしたが、「(先に打った)秋吉くんがグリーンを速そうに見せてきた。それで打ったら弱いじゃんと思って。3パットさせようとしてきた」と谷口節は止まらない。続くパットはしっかり沈めて、バーディ発進を決めた。
4番パー4では、残り156ヤードのセカンドショットを7番アイアンで2メートルにつけてバーディ。「ショットメーカー(秋吉)より近くにつけられてうれしかったです。(2打目は)先に僕が打てるので、むこうにプレッシャーがかけられて、ある意味楽しい。彼はショットメーカーだし近くに寄って当たり前なので」と秋吉いじりは続く。
記者から4番のセカンドショットは1メートルくらいについたのでは?と聞かれると、「1メートルだったら片手で入っている。両手で打っているから2メートルです」と切り返した。
トップで折り返した大会は残り2日。谷口にとって2018年の「日本プロゴルフ選手権」以来、3年ぶりのツアー21勝目がかかる。さらに、53歳74日でのツアー勝利は、記録が残る1985年以降では、ジャンボ尾崎(55歳241日)と杉原輝雄(53歳178日)に次ぐ、3番目の年長記録となる。
アップダウンのあるコースにも「きのう山登りで鍛えられたので、きょうはだいぶ楽でした。負荷は体が覚えるので」と体調にも不安はない。上位選手のなかでは経験値はずば抜けているだけに、谷口のプレーからも目が離せない。(文・下村耕平)
<ゴルフ情報ALBA.Net>