<関西オープンゴルフ選手権競技 最終日◇25日◇有馬ロイヤルゴルフクラブ ロイヤルコース(兵庫県)◇7103ヤード・パー71>
国内男子ツアー「関西オープン」は出場選手でただ一人、60台を4日間並べた24歳の星野陸也の優勝で幕を閉じた。クラブセッティングを見てみると、昨年の「フジサンケイクラシック」優勝時とほぼ変更なし。アマチュア時代から使い続けているという2010年モデルの5番ウッド『スリクソン Z-TX』(初代)が今年も14本のなかに入っている。
ツアーが中止や延期となった1年前、星野は代えのきかない「大好きな」5番ウッドのサブのヘッドを探していた。当時電話で取材したときには、「割れてしまったら代わりがなくて困る。5番ウッドだけでヘッドもシャフトも同じスペアが3つ完成しました」と話している。しかも、すべて同じ振り心地となるように、1グラム単位で鉛を貼って調整する徹底ぶりだ。
ずっとPGAツアーを目指すといってきた星野は、昨年の米国カリフォルニア州で行われた「ZOZOチャンピオンシップ@シャーウッド」に出場した際、「まったく芯に当たらなかった。技術だけでなく日本の芝にもアメリカの芝にも対応できるクラブは必要だと思った」とセッティングを見直す必要性を感じた。
具体的には、「向こうの硬い芝だったらローバンスにしたりとか。でも、日本の芝はけっこうボールが浮きやすいので、逆にバンスがあったほうがいい。どっちも対応できるソールの形状がないかなと思っています」と星野。ウェッジは昨年と同じ『クリーブランド RTX-3ブレード』を使っているが、「バンスの形状をちょっとずつ変えている」という。
さらに、現在のウェッジのロフトバリエーションは52度と59度の2本だが、3本に増やすことも検討している。「今年ずっと3本にしたいと思っていたんですけど、考えているうちに試合が始まっちゃって」と星野は笑う。米国男子ツアーでスコアを出すには、多くのアプローチのバリエーションが要求されるため、PW以外のウェッジを3本入れている選手が多いのだ。
さらに、「52度と59度の間にもう1本入れると、ほかのクラブを抜かなきゃいけない。自分は5番ウッドが大好きだから、それを外すときつい…」とウェッジを増やしたくても増やせない悩ましい現実もある。
昨年から変更があったのはボールくらいだろう。数量限定で発売されている『スリクソン Z-STAR◆(ダイヤモンド)』を今年から使っている。このボールはスピン性能重視の『スリクソン Z-STAR』と飛距離性能重視の『スリクソン Z-STAR XV』の間に位置にするモデルで、米ツアーで戦う選手たちの「ロングアイアンでスピンをかけてデッドに止めたい」という要望で作られた。今後、星野のクラブセッティングは、ボールに始まり徐々に米ツアー仕様に変わっていきそうだ。
【星野陸也の優勝ギア】
1W:スリクソン ZX7 9.5度 クロカゲ XT70 X 45インチ
3W:テーラーメイド M2 TOUR(2017年モデル) 16度 クロカゲ XT60 TX
5W:スリクソン Z-TX(初代・2010年モデル) 18度 ディアマナ プロトタイプ
3I:スリクソン Z585 DG X100
4I〜PW:スリクソン Z945 DG X100
52度:クリーブランド RTX-3 ブレード DG X100
59度:クリーブランド RTX-3 ブレード DG S400
PT:オデッセイ ホワイトライズ iX #3SH
BALL:スリクソン Z-STAR◆(ダイヤモンド)
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