海外メジャー大会5勝のフィル・ミケルソン(米国)はキャリア・グランドスラム達成まで「全米オープン」を残すだけ。しかしながら地元カリフォルニア州サンディエゴで6月17日に開幕する全米オープンの出場資格は現時点ではない。
現在の世界ランキングは113位、自力で資格を得るには5月24日、もしくは6月7日時点で世界ランキング60位内に入ることが必要で、そのためにはPGAツアーでトップ3が少なくとも1度は入らなければならない。もしくは予選会から本戦出場を得る道がある。
そこでささやかれるのは主催するUSGA(全米ゴルフ協会)が“特別招待”をする可能性だ。
1990年にアマチュアで初出場を果たしたミケルソンは31度の出場で、なんと6度の2位。99年にはパインハーストで故ペイン・スチュワートに敗れ、2002年のベスページではタイガー・ウッズ(米国)。04年のシネコック・ヒルズではレティーフ・グーセン(南アフリカ)。06年のウイングドフットはルーカス・グローバー(米国)、そして13年のメリオンではジャスティン・ローズ(イングランド)に敗れた。
昨年も出場権がなかったが、ミケルソンは「特別招待では出場しない」と明言。「USGAは特別招待を出すのは好ましく思っていない。予選会から挑戦してその実力があれば自分で資格を得ることができるはず」と話していた。
ところがコロナ禍で9月に延期。予選会は行われず資格が変更となりミケルソンは出場権を得たのだが…、結果は予選落ちだった。
まだ“特別招待”がされたわけではない。USGAは過去にベン・ホーガン、ジャック・ニクラス、アーノルド・パーマーらを含む34選手を招待しており、19年にはアーニー・エルス(南アフリカ)も受けている。その多くは歴代チャンピオンで、勝者でなく招待を受けたのは05年のニック・プライス(ジンバブエ)が最後。
『もし招待を受けたら?』という問いには「分からない。今その答えは出せない…」と悩ましい。開催コースのトリーパインズGCはミケルソンの生まれ育ったコース。同コースでのPGAツアー、「ビュイック招待」では3勝を挙げている。
USGAの特別招待は通常は5月に発表される。「今はメモリアル終了の翌日(6月7日)にオハイオ州の会場で予選会に出場するつもりだ」と50歳は自力出場を目標に掲げた。(文・武川玲子=米国在住)
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