<パナソニックオープンレディース 2日目◇1日◇浜野ゴルフクラブ(千葉県)◇6638ヤード・パー72>
原英莉花が、13番パー3でプロ転向後初のホールインワンを達成。この1打で停滞ムードだった流れも大きく変え、首位と2打差のトータル6アンダー2位タイで優勝争いに加わった。
無観客のコースで、“ガシャン”という音がはっきりと耳に入ってきた。1つスコアを落として迎えた後半最初のパー3で、7番アイアンを振ると、これがカップ方向へ一直線。ダイレクトにピンにあたり、次の瞬間ボールが消えた。
「ショットがいいときはホールインワンを狙っているけど、状態がよくなかったので、とりあえず(グリーンに)乗せたいなと思って打ったら、音が聞こえました」
グリーンに跳ねてコロコロと入ったわけではない、見事な“ダンクエース”。この直後には今大会でバッグを担ぐ清水重憲キャディとハイタッチし、同伴競技者からも『おめでと〜』と声をかけられた。グリーンで確認すると、ダイレクトに決まったにも関わらずカップが大きく崩れることもなく、ボールがおさまっていた。「清水さんに『お上品な入り方だね』って言われました(笑)」というほどの、美しいエースだった。
原にとってはこれが「人生3回目」のホールインワン。前回は2017年に受けたファーストQTの練習ラウンドで決めたそうで、トーナメントはもちろん、試合でも初めてのことだ。賞金などはかけられていなかったが、浜野ゴルフクラブの厚意で贈られる10万円もゲット。
師匠のジャンボこと尾崎将司への報告は?と聞かれると、「絶対“まぐれだ”って言われる(笑)。でも賞金で何か持っていきたいです。(何を持っていくかは)よく考えたいと思います」と、まずは1つお土産を持っていくことができる。
唯一残念だったのが、「ギャラリーのみなさんが居たらもっとうれしかった。さみしかったですね」と、それを見守る観客がいなかったこと。しかし、この様子は映像でも流されていたため、記念すべき初エースは多くの人の目に届いたはずだ。
それ以降は「ショットへの不安が払われて、流れよくスイングに集中できました」と3つのバーディを積み重ね、上位にも進出。今季3勝目も見えてきた。「(最終日は)楽しく回りたいですね。ただ久しぶりの優勝争いなので勝ちたい気持ちも強いですし、結果にこだわりたい」。このホールインワンを吉兆に、ジャンボ邸への手土産をもう1つ増やしたい。(文・間宮輝憲)
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