日米を股にかけて戦うプロゴルファー・河本結。1年目のプロテストに出場せず大学進学、ステップ・アップ・ツアーで賞金女王、レギュラーツアー初年度で初優勝、そして米国参戦と、まさに唯一無二の経歴を歩んできている。そんな河本に「あなたにとって●●とは」という様々な質問をしてみた。今回は『ゴルフクラブ』について。
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今週のテーマはゴルフクラブ。本当に相棒みたいな存在たちで、武士で言えば刀のようなもの。そのなかでも一番好きなのはアイアンです。番手でいえば8番以下のショートアイアンですね。
なぜなら一番練習するクラブですし、思った通りの球がよく出てくれるから(笑)。もちろん全番手を練習するのですが、特にやるクラブは愛着もそのぶん多く出てきますね。なぜ一番練習するかといえばスコアメイクに直結するからです。大きいクラブは“だいたい”いいところにあればいいけど、ショートアイアン以下はピンに絡めてチャンスを作りたい。だから、たくさん練習しています。
クラブへのこだわりとして長さとともにあるのが、外に鉛を貼ること。少々マニアックな話になりますが、クラブにはそれぞれ製造の過程で生じる個体差があります。それを調整したり、自分に合わせるために鉛を用いるのですが、鉛を中に注入というか流し込んで調整する選手も結構います。ですが、私は絶対に外に貼る派。なぜなら、中に入れた鉛が固まるポイントによってバランスポイントが変わってしまうからです。それが私にとってはすごく気持ち悪い。見た目はちょっとカッコ悪いんですけどね(笑)。
だからといってもクラブは見た目が大事。毎年、技術的に進化したモデルが出ますが、私は見た目、第一印象がよくないクラブは使えません。どういう顔がいいかというと全体的にはシャープ目なもの。ウッド系でいえば丸いものよりも昔っぽい平べったいものが好きです。アイアンは色々な球を打ちたいので、顔が小さめで操作性がいいものが好きですね。
もう一つ、メーカーでいうと私はアマチュアのころからキャロウェイさんにお世話になっています。技術の高さはもちろん、ドライバーからパター(オデッセイ)まで14本あるので、全体のバランスがすごくいいと感じています。ウェッジもクリーブランドさん(チーフデザイナーを務めるロジャー・クリーブランド)が手掛けるようになってさらによくなったと思います。
クラブは私にとって道具以上のもの。大事にしなければいけないものだし、なければ生きていけないものなので、これからもこだわりと感謝を持って扱っていきたいと思います。
河本結にとってクラブは・・・
武士にとっての刀
河本結(かわもと・ゆい)
1998年8月29日生まれ、愛媛県松山市出身、リコー所属。2018年のプロテストに合格し、ツアー本格参戦の19年3月に行われた「アクサレディス」で早々とツアー初優勝。20年にはアメリカツアーに参戦、LPGAドライブ・オン選手権で4位に入った。最終日に赤いウェアを着るタイガー・ウッズがあこがれの選手で、自身もそれをまねて最終日に赤いリボンを着用する。自身のYouTube『河本結ちゃんねる Yui Kawamoto』(https://www.youtube.com/channel/UCyCiKywhDYH1UlMDT378Ecg)でも様々な動画をアップ中!163cm・58kg。
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