1970年代、「グリーンの妖精」と呼ばれ女子ゴルフ界を席巻したのがローラ・ボー(米国)。そのチャーミングな笑顔は日本でも大人気でテレビコマーシャルにもひっぱりだこだったから、今なお覚えている往年のファンも多いだろう。
そのボーは現在65歳、「週に4〜5回は16キロを走り、ドライバーの飛距離は260ヤード。カートで一日2ラウンド以上プレーする」というゴルファーだ。
4月26〜5月4日に米国を中心に世界中で開催された「全米女子オープン」の予選会で、ボーはフロリダ州ブラデントンに挑戦。一日36ホールという過酷な戦い、結果は1ラウンドを終えてあえなく棄権となったが、「私にとっては競技ゴルフをプレーできる貴重な機会。どうしても逃したくなかった」と話す。
ボーが本当に目指してきるのは7月29〜8月1日に開催される「全米シニア女子オープン」だ。
ボーは71年、16歳で制した「全米女子アマチュア選手権」の覇者として出場権を持つ。今年の開催コースはブルックレーンCC(コネティカット州)で、ここは79年の全米女子オープンでボーが8位と自身の同大会ベストを記録したコースでもある。
「私はまだまだ十分に飛ばせるし、パットも入るしイップスはない。だからやってみようという気になった。問題なのは…、私の年齢だけだわ」と米ゴルフウィーク誌のインタビューに答えている。
ツアー競技を引退してから、アルコールやメンタルで難しい時期も過ごした。4度の離婚を経験して現在はシングル。7人の子供の母でもある。その中の息子、エリック(32歳)は現在米ツアー下部のコーンフェリー・ツアーをプレーするプロゴルファーだ。
昨年6月、PGAツアー本部にほど近いフロリダ州セントオーガスティンに“ローラ・ボー・ゴルフスクール”を設立、アマチュアだけでなくミニツアー、下部ツアーを戦うプロをコーチする。
全米女子オープンではその姿は見られないが、「30歳になれるとは思わないけれど、まだまだ諦めない」とシニア女子オープンに向けて着々と準備を進めている。(文・武川玲子=米国在住)
<ゴルフ情報ALBA.Net>