失態も結果は上々。「戻ってきて良かったよ」とブライソン・デシャンボー(米国)のご機嫌も、結果同様に上々だった。
先週の「ウェルズ・ファーゴ選手権」予選ラウンド2日目の金曜日には、ドタバタ劇の主役となった。午前組でのプレーを「74」で終えたデシャンボーは、トータル2オーバーという結果もあって予選落ちを覚悟。プライベートジェットに乗り、ウェルズ・ファーゴ選手権の会場シャーロットから、自宅のあるテキサス州ダラスへと帰路についた。
しかし、風が吹いたコースで午後組がプレーするにつれ、カットラインがグングン落ちる。結果的にデシャンボーは、64位タイまで“浮上”し、、ぎりぎり65位タイまでと規定されていた予選通過圏内に入った。
それが確定したのはダラス到着後。そこで1度自宅に戻り、日課のトレーニングを済ませたあと、再びプライベートジェットでコースに舞い戻ったのだった。とんぼ返りした金曜日の睡眠時間は約5時間。「ひどい失敗。とても疲れた」と話したが、土曜日は「11時間も眠った」と体調を回復させた。
決勝は2日連続で「68」をマーク。トータル4アンダーまで伸ばし、9位タイでフィニッシュした。獲得賞金は22万8825ドル(約2517万円)。フェデックスポイントも77.50点を獲得し、ジャスティン・トーマス(米国)を抜いてポイントレース1位に返り咲いた。
この賞金で往復の飛行機代は「十分に取り戻した」。だが「僕にとってはこの結果が重要。お金のことは何も関係ない」と、笑い飛ばした。「せっかく大会に出場して戦ったのに間違って帰ってしまったなんて…。ウェルズ・ファーゴにも会場のクェイルホローCにも大変申し訳ない。大会のチャリティにも支援したいし、ファンをがっかりさせたくなかった」と話した。
次週の「AT&Tバイロン・ネルソン」(TPCクレイグランチ)はデシャンボーが暮らすテキサス州ダラスでの開催。「コースはまだプレーしたことがないが、初めてのコースは意外といいプレーができるから楽しみだ」と言って、今度こそ自宅のあるテキサス州ダラスへと安心して向かった。(武川玲子=米国在住)
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