<アジアパシフィックダイヤモンドカップゴルフ 2日目◇14日◇相模原ゴルフクラブ 東コース(神奈川県)◇7298ヤード・パー72>
ゲン担ぎの赤いユニフォームは、昨年5位タイに入った「日本オープン」で「66」をマークしたときのもの。「年下には負けていられない」と、ライバル心は真っ赤に燃えていた。
初日にトップに立ったアマチュアの杉浦悠太(日本大2年)から、トップの座に取って代わったのが東北福祉大4年の杉原大河。「年下には負けていられないと思ったので。できるだけ悠太に近づけるスコアで上がりたいと思っていました」と、日本オープンを1打上回る「65」をマーク。トータル8アンダー・首位タイで決勝進出を決めた。
「ティショットがここ2日間本当に悪くて…。フェアウェイに行ったのは、今日は2回」としながらも7バーディ・ノーボギー。杉原を支えたのは、大学入学時から強化してきたショートゲームだった。
1ホール目の10番パー4からティショットをラフに入れたが、残り78ヤードからのアプローチを5メートルにつけてバーディ発進。続く11番パー5も、ラフからの3打目を2メートルに寄せて連続バーディを奪った。後半7番パー3は1オンに失敗したが、右手前のカラーから約10ヤードをチップイン。
「(高校時代に)アプローチが苦手だったので、練習設備の整ったところに行きたいと思った」と、進学先に選んだのが東北福祉大学。寮のそばには100ヤード近くあるアプローチ練習場と、メンテナンスされた練習グリーンが完備されている。松山英樹を筆頭にトッププロを輩出してきた環境で技術を磨いてきた。
アマチュア選手の活躍も珍しくなくなってきた男子ツアー。杉原自身も、2019年に男子下部のAbemaTVツアーで優勝を挙げている。同世代に負けていられないと思うと同時に、頭にちらつくのは『アマチュア優勝』。
「考えないというのは無理だと思うので、考えながらもしっかり自分のゴルフをしていきたい。明日からティショットの精度を上げて、内容のいいゴルフをしたいと思います」と練習場へ。「午後は時間があるので」と、黙々と球を打ち続けた。練習熱心な先輩に倣(なら)う21歳には、福祉大のDNAがしっかりと受け継がれていた。(文・谷口愛純)
<ゴルフ情報ALBA.Net>