<リゾートトラスト レディス 事前情報◇26日◇セントクリークゴルフクラブ(愛知県)◇6605ヤード・パー72>
今年に入ってからエントリーはするものの、ケガのため欠場が続いていた大山志保があす開幕の「リゾートトラスト レディス」で復帰。昨年の「大王製紙エリエールレディス」以来の出場となる。
ここまで2つのケガに悩まされた。今年1月、そろそろ始めよう、というところで左の鎖骨が急に痛み出した。日に日に力が入らなくなり、病院に行ったところ胸郭(きょうかく)出口症候群と診断された。「お茶碗を持つだけですごく重くて、ゴルフどころじゃなかった。顔を洗うのさえきつかった」。開幕戦は断念。21年4戦目「アクサレディス」での復帰を目指した。
さらに3月、バンカーから戻ろうとした際に踏み込んだところが崩れて左足首を捻挫。その時は問題なかったが、ショット練習をし始めると痛みが一気にきた。「右足を蹴る動作がすごく痛かった。足を止めて打とうとしたのですが、それも難しくて…」。傾斜地からのショットどころか、上り坂ですら厳しい状況だった。
そんな状態でも、治り次第復帰したいと毎週エントリーした。だが、まったく目途が立たない。前週の「中京テレビ・ブリヂストンレディス」に出ようと、「痛みなくできれば合格」と最終テストを敢行したが、車に乗った時点で痛みが出て断念。ようやく今週出場にこぎつけたが、「どれだけできるかは不安ばかり」。火曜日に練習ラウンドを行ったが、18ホールを回るのは昨年のエリエール以来だった。
それでも「引退は考えなかった」と大山は言う。「試合に出られる立場でそれを放棄するのは考えられない」。本当は完治してからという思いもあったが、シード選手の義務試合数を考えればギリギリだったという事情もある。
復帰にたどり着いたことは本当にうれしい。これまで幾度となく大きなケガを乗り越えてきた大山だったが、今回ばかりは「今まであまりなかったけど、友達に話を聞いてほしい」といった気持ちもあった。女子ツアーを久々に見れば若い選手が活躍、「この場所で私が戦えるのかな」というネガティブな気持ちも出てきた。「話を聞いてくれた友達や診てくださった先生方、周りの方々に支えられて。一人では乗り越えられなかったと思う」。辛かったことを思い出し、涙を流した。
「戻ってこられてよかった。私には気持ちしかない。これからも支えていただきながら、強い気持ちで目標に向かって頑張りたい」。飛距離が落ちようが関係ない。強い信念を持って、復帰戦に挑む。(文・秋田義和)
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