<〜全英への道〜ミズノオープン 事前情報◇26日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇7349ヤード・パー72>
プロ入りから27回連続での本大会出場。ホストプロとしての意気込みを聞かれれば「できれば、ミズノの若い選手の優勝を見たいですよね」。そう口では語るが、実際は若い選手以上に実戦の場に出続けているのが52歳の手嶋多一だ。
シニアツアーを合わせて今年は7連戦。2020年はレギュラーツアーで行われた4試合に加えてシニア7試合にも参戦と掛け持ちでシーズンをこなしてきた。「けっこうハードなスケジュールなんですよ」と笑うが、だからこそ「全米プロゴルフ選手権」でのフィル・ミケルソン(米国)の優勝には感じるものがあった。
東テネシー州立大で過ごした学生時代には、同じ試合でプレーしたこともある。「何をさせても別格。なんであんなに球を曲げるんだろうとか、見ていて面白い。それを今もやるでしょう」と、他を圧倒する姿を何度も見てきた。
今も衰えず、トップに君臨する50歳。「あれだけ(クラブを)振れることにびっくり。当然、ケプカは前に行ってパターを入れるのが大事。なのにそれをミケルソンがやっていた」と、ブルックス・ケプカ(米国)を上回る飛距離で勝つ姿に魅せられた。
年齢とともに衰えるパフォーマンスを保つため、練習では1日36〜45ホールをプレーするという。「とにかくゴルフをすることがトレーニング。そういうやり方もあるんだなと思いました」と感服した。
本大会で上位2名に入れば、そのミケルソンと同じ「全英オープン」の舞台で戦える。そんなチャンスも、「全英はないです(笑)。まずは予選を通って、4日間できればいいなと思っています」と笑い飛ばした。タフなスケジュールを戦い続ける53歳。世界でとは言わずとも、日本ではまだまだ若手にイスを明け渡すわけにはいかない。(文・谷口愛純)
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