<リゾートトラスト レディス 初日◇27日◇セントクリークゴルフクラブ(愛知県)◇6486ヤード・パー72>
ケガから復帰し、ようやく今年のツアー初出場を果たした大山志保。イーブンパー・暫定33位タイという1日を終え「思ったよりいいゴルフができました。楽しいとか悔しいという気持ちを味わえてよかった」と笑顔をみせた。
「昨日の晩からドキドキしていました」。左の鎖骨の痛み、そして左足首の捻挫で、昨年の「大王製紙エリエールレディス」以来、約半年ぶりにトーナメントに戻った大山は、高まる緊張とともにコースに入った。
しかしスタートホールで、そのドキドキがフッと消えるできごとが起こる。「私、この大会では優勝したことがないんですけど、最初のコールで『第何回大会優勝者』と言われて。それで緊張が解けて、いいスタートが切れました」。この“ミスアナウンス”でこわばった表情が、一瞬で笑い顔に。そして力が抜けたナイスショットでコースに出ることができた。
「たぶん、そう言ってたかと…。聞き間違いなら、相当興奮してたんですかね(笑)」。改めてそのシーンについて聞かれると、“真偽”のほどの自信は少し薄れたようだったが、なにはともあれここで地に足をつけることができた。そして、186日ぶりのラウンドを3バーディ・3ボギーで終えた。
雨が降り、気温が下がったこともあってか、痛めていた腕が途中でうずき始め、序盤は故障箇所を気にしながらのプレーを強いられた。しかし途中挟んだ5時間以上の一時中断でしっかり休み、さらに再開後に気温が上がったこともあって、そこから「痛みが和らぎました」。悪天候は、大山にとってまさに恵みの雨となったようだ。
「無観客ですけどファンに応援してもらえているような気がして」と代名詞のガッツポーズも随所に見られた。さらにアドレナリンが出たのか、「思ったよりも最初飛距離が出ていた」というのも大山らしい。まだ普段通りアイアンショットが打てないことを悔しがったが、それでも自己採点は「85点」と満足いく復帰戦となった。
「体を引きずってでも棄権だけはしたくない。いいか悪いかは分からないですけど、人生で(棄権をしたのは)1度だけですから。明日からも体の様子をみながら、少しずつアイアンの調子を上げていきたいですね」。5月25日に44歳を迎えたばかりのベテランの気合に満ちた姿を、2日目も見ることができそうだ。
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