<全米女子オープン 事前情報◇2日◇ザ・オリンピッククラブ・レイクコース(米カリフォルニア州)◇6457ヤード・パー71>
先週の国内ツアー「リゾートトラストレディス」で今季初優勝を挙げた勝みなみが、その翌週に自身3度目となる世界ナンバー1決定戦に挑む。
現地時間3日の開幕まで、なかなかのハードスケジュールを乗り越えてきた。先週の日曜日まで愛知県で順延含みの4日間大会を戦い、月曜日夕方の便で渡米。「優勝するなんて思ってなかった」という勝にとって、大会後には予定になかった動きも生じ、目まぐるしく時間が過ぎていった。出国時にはPCR検査受検のため、空港到着の時間も余裕をもって…という状況。時間に追われながらの出国となった。
無事現地についたのは月曜日の昼。そして翌1日(火)に練習ラウンドでコースを確かめた。「気持ち的には大丈夫ですけど、地に足がつかずフワフワしている。だいぶマシになりましたけど、きのう(1日)は特にそんな感じでした」。気力は十分、でも体力が…。そんな状況のなか調整を進めているようだ。
開幕2日前からのコース入りとあって、当然ながら急ピッチでコースを回り、隅々までポイントをチェックしている…という流れになりそうだが、実は今回の勝はそうではない。練習ラウンドは火曜日に18ホールを回ったのみで、開幕前日の水曜日はショット、パットの調整のみのノーラウンドデーにあてた。その真意は、どうやら“先入観の排除”にありそうだ。
「コースに出るとイメージが残る。そこで悪い球が出るからイメージが悪くなると思うし、ラフが深ければ、『打ちたくない』と思って違う方向に出てしまうこともある。コースを見るために18ホールを回って、あとは練習だけでイメージを作りたかった」
先週の優勝まで、ショットの安定を欠きなかなか結果が出ない時間が続いた。そうなると“悪いイメージ”が頭に残り、それが悪循環を生み出す。そこで最近は国内ツアーでも、この練習ラウンドを減らす方法を実践。「めちゃめちゃいい」という手応えを得ている。
必要最低限の情報だけを集めたコースについては、「アメリカっぽくないですよね。狭い。フェアウェイも傾いているから、転がると全部ラフにいっちゃう。ラフも粘っこくて、深くて難しいですね」という印象を抱いた。それでも男子の全米オープンも過去5回行われている名門を回れることで、「生きている間で今回しか回れないかもしれない。楽しみたいですね」と気分は高まっている。
「だいぶショットもよくなってきている。まず予選通過が最低ライン。自分がやるべきことは決まっているので、それをやることを目標に、少しずつ上位に食い込めればいいですね」。来年開催される米ツアー予選会に挑み、再来年から米国を主戦場にしたいという意向を明言している。その未来は強くイメージしながら、難コースに立ち向かっていく。
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