<日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 初日◇3日◇宍戸ヒルズCC西C(茨城県)◇7352ヤード・パー71>
初めてアマチュアとして今大会に出場している3人のうちの1人、杉原大河(東北福祉大4年)が国内メジャーの難しいセッティングのなかで5バーディ・2ボギーの「68」と躍動。3アンダー・6位タイと好位置で初日を終えた。
この日は、ツアー通算17勝の石川遼と、今年ツアー初優勝を挙げた東北福祉大の2年先輩、片岡尚之とのラウンドとなった杉原。2人が難コースに苦しむのを尻目に、最初の4ホールで3バーディと、序盤から面白いようにスコアを伸ばしていった。
「本当にグリーンも速くてラフも長い。タフなコースなので、そんなに大きなスコアは出ないだろうなと。むしろ耐える方が大きいと思っていたので、3アンダーで回れたのはすごく自分的に良かったなと思います」と杉原はこの日の好ラウンドを振り返る。
なんといっても杉原の魅力は飛距離にある。ドライバーを握れば高いフェードボールでゆうに300ヤードを越えていく。その振り抜きのスピード感は大学の先輩でもある松山英樹を彷彿とさせる。ティショットでは片岡よりはるか前、石川より飛ぶホールもあり、プロのなかに入っても飛距離はアドバンテージとなっている。
「プロの方々と回っても飛距離が武器になるのかなという思いはあります」。昨年と統合された2020-21シーズンでは、ツアー出場はすでに7試合目。どんどん自信を深めている。そのなかでも昨年出場した「日本オープン」で5位タイに入り、ローアマを獲得したことが転機となった。
「日本オープンがきっかけになって、プロの大会でもできるだけ上位にいきたいという思いは強くなった」と杉原は語る。アマチュアが初めて出場する今大会で、アマチュアの杉原が優勝すれば歴史に名が残るが、「まだ先が長いので、そこはあまり考えてないです」と謙虚な姿勢も見せる。
初日を好位置で終えたが、目標では『優勝』の2文字は口に出さず、「上位に行くこと」と話すにとどまった。昨年の日本オープンでは2日目に「66」を出して、トップと1打差まで迫った。今大会でも2日目のチャージに期待したい。(文・下村耕平)
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