今年、大里桃子が5月の大会で優勝1回、2位が3回と圧倒的な数字を残し「ミス・メイ(5月)」と話題を集めたが、国内女子ツアーの「ミス・ジューン(6月)」と言えば成田美寿々だ。現在6月に行われている4試合のうち3試合(ヨネックスレディス、宮里藍 サントリーレディス、アース・モンダミンカップ)で優勝経験があり計4勝。今週の「ニチレイレディス」を優勝すれば6月完全制覇となる。
そんな成田に大きな刺激を与えたのが、前週「宮里藍 サントリーレディス」での青木瀬令奈の4年ぶりとなる優勝。ジュニア時代から切磋琢磨、オフにはともに旅行に行くライバルの復活劇はこみ上げるものがあった。
「ずっといっしょに練習ラウンドしたりしていてうまくいかないときもそばにいた存在。うれしいの一言ですね」
自身は予選落ちしていたため、自宅でテレビで観戦しながら手に汗を握っていたという。「9番くらいから見ていたのですが、ほとんどの人が(稲見)萌寧ちゃんが崩れずに勝つだろうなと思っていたと思います。でも、瀬令奈も前半から攻めていてスキのないゴルフをしていました」と一進一退の攻防を食い入るように見つめていた。
いつもそばにいるからこそわかる、こんな部分で青木の良さを感じた。「いい顔をしていました。真剣みがあるのはもちろんですが、そのなかで入り過ぎている感じでもなかった。すごく気持ちの良い顔をしていました」。テレビを通じても状態の良さはうかがえたという。唯一の心残りは「あの場に一緒にいたかったですね」と優勝の瞬間に立ち会えなかったこと。それは次回に、といったところか。
自身としても改めて気合いが入って挑む、今週の戦い。「開幕から3カ月がたって、みんなが“疲れたな”と感じてきたなときに、私は上ってくる。暑いのも得意」という6月の試合とあって、ここからもう一段ギアを上げていきたい。
だが、その6月で唯一勝ってないのが今週のニチレイレディス。それだけに「なかなかビジョンがわかないなぁ。(勝つのは)曲がらない人というイメージ。ラフに入れたらだめ、グリーンも小さい」というのが本音だ。
そう言いつつもポジティブな要素もある。「逆に言えば自分の今の調子で言うと、先週みたいなスコアが出る展開よりも、そういった我慢合戦じゃないですが、あまり伸びない展開のほうが楽にできるんじゃないかなと思う。もちろん、狙ってはいますよ」と虎視眈々。
6月の強さのほかに成田が強いのが地元大会。千葉県の試合で3勝、となりの茨城県まで入れればメジャーを含む5勝を挙げており、この千葉2連戦は勝負どころ。「次は私の番だと思っているので」。盟友の活躍も刺激に、故郷に錦を飾る。
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