<日本女子アマチュアゴルフ選手権 3日目◇17日◇大山ゴルフクラブ(鳥取県)◇6638ヤード・パー72>
『JAPAN』を背負う選手が、アマチュア女子ゴルファーの日本一決定戦でしっかりと上位争いを続けている。大会を主催する日本ゴルフ協会(JGA)が選考するナショナルチーム(日本代表)からは、3名が今大会に出場。それぞれの思いを胸に、残り18ホールに挑んでいく。
その3人のうち、3日目を終え最上位につけるのは大学生の星川ひなの(日大4年)。トータル7アンダー・3位タイからトップとの3打差逆転を狙う。3日目は4番で1.5メートル、5番で4メートルを沈め、早々に2つ伸ばすも、そこからパー行進。チャンスにはつけるも、「(パッティングが)全部ショート。くやしい」と重く、遅いグリーンに手を焼き、伸ばし切ることができなかった。
ほかの2人がナショナルチームのユニフォームで参加するなか、星川は在籍する日大のウェアで戦う。「着ればよかったな」と笑うが、「大学生は学校のユニフォームで戦っていることが多いので」と今週は母校のものをチョイス。だが21歳のナショナルチーム最年長選手は、しっかりとその役目を果たす活躍を続けている。
一方、トータル6アンダー・5位タイにつける尾関彩美悠(あみゆ、岡山県作陽高3年)と、トータル4アンダー・9位タイの六車日那乃(ひなの、日本ウェルネススポーツ大1年)は、“憧れ”だった日の丸のウェアに袖を通しプレーする。
尾関は「これを着てプレーできて自信になります。ゴルフをするうえで夢のひとつだった」と、嬉々とした表情で話す。「同じ岡山県出身の小倉彩愛さんなど、プラチナ世代の先輩がこれを着て出場しているのがかっこよかった」。そんな気持ちで眺めてきた姿に自分が今なっていることが誇りだ。
次なる目標は「日本女子オープン」に、このユニフォームを着て出場すること。今大会で優勝すれば、本戦出場権が手に入るだけに、「最終日はできるだけバーディを獲りたい」と攻めのゴルフを貫いていく。
来週JLPGA最終プロテスト受験を控える六車は、「色々と勉強させてもらっているので恩返しがしたい」と、ラスト18ホールへ意気込む。やはりこれまでの先輩の姿を見て、代表ユニフォームに袖を通すことへの憧れを抱いてきた六車の印象に強く残るのが、3年前に行われた2018年大会だという。
そこで、当時ナショナルチームの吉田優利と練習ラウンドを回った。さらに大会3日目には佐渡山理莉とともにプレーし、そのユニフォームへの憧れを強めた。吉田はその年に優勝もつかみとっている。それだけに「気が引き締まる」思いで今コースを回っている。来週のプロテストに合格したら、ナショナルチームは“卒業”となる。「初日はフェアウェイにつけても、チャレンジできなかった。逃げずにいきたいです」。今度は自らが、かっこいい姿を後輩に見せる番だ。
女子のナショナルチームには、この3人のほか4月の「オーガスタナショナル女子アマ」を制した梶谷翼(兵庫・滝川第二高)と、佐久間朱莉(埼玉平成高卒業)がいる。多くのアマチュアゴルファーのなかで、これを着ることができるのは5人。今大会ではエントリーした136人のうち、わずか3人だけが許された。その誇りを胸に、最後まで全力を尽くしていく。
<ゴルフ情報ALBA.Net>