“下5m以内”をキープした申ジエの強さ 予選通過80%超え、藤田さいきの復活Vにも期待【辻にぃ見聞】

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“下5m以内”をキープした申ジエの強さ 予選通過80%超え、藤田さいきの復活Vにも期待【辻にぃ見聞】

申ジエ(韓国)が逃げ切り優勝を決めた「大東建託・いい部屋ネットレディス」。2位に2打差をつけて最終日を迎え、全美貞(韓国)や渡邉彩香、濱田茉優、臼井麗香らが追い上げる中、後続の追随を許さず元世界1位の実力を見せつけた。大会初開催となった滝のカントリークラブを制したジエの勝利を、上田桃子らのコーチを務める辻村明志氏はどのように見ていたのか。
■“日本らしさ”が現れた難関グリーン 滝のCCの難しさ
例年の鳴沢ゴルフ倶楽部(山梨県)から舞台を変え、今年は北海道の滝のカントリークラブで初開催。アップダウンが激しい山間部のコース、初日から強まる風に多くの選手が悩まされたが、その難しさのひとつは、“日本らしい”グリーンにある。
「まず傾斜がキツく、基本的には上から速く、横から曲がる、下からは重いというグリーンです。その中でピンの手前をキープしつつ、どこまで突っ込んでいけるかの勝負でした」と辻村氏。手前に向かって傾斜があり、上から下に速いというのが日本のコースに多いグリーンの特徴。「海外だと四方に傾斜があって、何面かに分かれているコースが多いですが、日本の場合、まず上から下に速いという特徴」と、本コースでも上につけると難易度の上がるホールに多くの選手が苦戦した。
4日間の1ラウンド当たりの平均パット数を見ると、決勝に残った75選手中、7割以上の55選手が30パット超え。さらに、ホールごとの平均パット数を見ても1.9回を超えるホールが10ホールと難しさが伺える。
■“下5m以内”をキープした申ジエ 初開催コースを制した、元世界1位のショット力
そんな難関グリーンを攻略したのが、元世界ランク1位の実力者。「上がダメとなると、ピン下8メートルくらいを狙う選手が多いですが、ジエ選手は下3.5メートルにつけていました」と、OKゾーンをキープしつつ、ピンを狙うショットが冴え渡った。
抜群の距離感を生み出すジエの強さは、一体感のあるスイングにある。「距離感を合わせる選手は、クラブのスピードと体の回転の調和がとれています。ジエ選手のようにあれだけ体の近くでスイングすると一体感が生まれ、よりヘッドの入りが大切な洋芝でカット気味に打ってスピンを入れたりと、100ヤード前後からそれ以内のショットの縦距離の精度が群を抜いていました。米国で色々な芝も経験してきたでしょうし、そういった経験や技術の差が明確に出ていたと思います」と解説する。
加えて、大会4日間で56ホール中49ホールでフェアウェイをキープした正確性にも差がついた。「アウトコースは比較的ワイドなホールが多いですが、インコースは狭くてトリッキーな箇所が多い。その中でも自信をもってフェアウェイをキープできていた印象でした」と語る。2打差を追われる立場から迎えた最終日も、スタートホールからフェアウェイをキープ。2.5メートルをねじ込み、バーディ発進を決めると力強く拳を握った。「あまりスタートからガッツポーズをとるイメージのない選手ですが、これが優勝を大きく左右すると分かってのバーディ。難しいコンディションの中で、技術力をハッキリ見せた優勝だと思います」。
■予選通過率8割超えの安定感 復活Vに期待がかかる藤田さいき
加えて辻村氏が注目したのが、トータル8アンダー・10位タイで終えた藤田さいき。今シーズンは30試合を終えて予選落ちは5度のみ。今年に限っていえば2試合のみで、直近5試合のうち3試合でトップ10入りと安定感を見せている。「スイングを見ていると、本当に柔らかく振れている。飛距離が出るけど、体の回転と腕の振り、手首の柔らかさの調和がとれていて、スイングのバランスがすごくいいと感じました」。2011年の優勝を最後に勝利からは離れているが、当時と比べても「今のほうが、自然と体と手首を使えている」と語る。
「非常に調子がいいように感じました。10年ぶりの優勝がいつ来てもおかしくない状態に来ていると思いますし、それだけショットの精度もいい」と、本大会を終えてパーオンは72ホール中62と大会トップ。20-21シーズンはこれで7度目のトップ10入りを果たし、10年「富士通レディース」以来となる優勝も期待できそうだ。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、永井花奈、小祝さくら、吉田優利、阿部未悠らを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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