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2年連続で男女ペアマッチを開催したサトウ食品社長の思い 「男子プロを盛り上げたい」

＜サトウ食品インビテーショナル チャリティ GOLF ペアマッチ 2021 in 紫雲ゴルフ倶楽部　最終日◇6日◇紫雲ゴルフ倶楽部 飯豊コース（新潟県）＞
昨年に続いて行われた「サトウ食品インビテーショナル チャリティ GOLF ペアマッチ 2021 in 紫雲ゴルフ倶楽部」は中里光之介＆藤田光里ペアの優勝で幕を閉じた。普段のトーナメントでは見られない男女ペアによる試合形式で行われた今大会。東京五輪でも卓球の水谷隼＆伊藤美誠ペアが金メダルを獲得したのをはじめ、バドミントンや水泳でも男女が一緒に戦う競技が注目を集めた。なぜ男女のペアマッチを開催しようと考えたのか。今大会を特別協賛したサトウ食品株式会社の佐藤元社長に話を聞いた。
「男子プロを盛り上げたい」。それが今大会の根底にある。黄金世代にプラチナ世代、新世紀世代と、次々と若い選手が活躍し、話題に事欠かない女子ツアーに比べると、男子ツアーの人気はいまひとつ。今年の試合数を比べてみても、女子の38試合に対し男子は24試合と大きな差がある。人気や注目度で劣る男子ツアーだが、金谷拓実や片岡尚之、石坂友宏といった20代前半の選手たちの活躍も目立ってきている。
実際、サトウ食品は男子ゴルフのツアー外競技、「サトウ食品インビテーショナルフューチャーGOLFツアーin新潟」に18、19年と特別協賛。今年5月に行われたレギュラーツアーの新規大会「ジャパンプレイヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品」にも特別協賛している。さらに、男子プロの中西直人、塩見好輝、ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップで優勝した片岡尚之とスポンサー契約を結び、男子ゴルフをサポートしてきた。
昨年は同社の創業70周年。「それを記念して、ゴルフの面白い大会ができないか。観ている人に興味を持ってもらえる大会にできないか」と考え、男女ペアマッチという発想につながった。「女子プロの上手さと男子プロのすごさ、この2つをいっぺんに見えるペアマッチっていうのは、本当に素晴らしい大会だなと思っております」と佐藤社長。首位が次々と入れ替わる試合は大いに盛り上がった。無観客開催で「本当は大勢のギャラリーにプレーを見てもらいたかった」と佐藤社長は残念がったが、GOLF Net TVでライブ配信でプレーの様子を観ることができた。
そこでは、普段のトーナメントは違う和やかな雰囲気のなかで、様々な会話をするプロたちの姿が新鮮に映った。「話さないとプレーが進行しないわけだから、それを近くで聞けるのが、ゴルフファンにとってはうれしいことではないでしょうか。お互いを気遣いながら、ミスショットしても『ごめん』や『どんまい』も言わず前向きにいくチームもありましたし、いろんなチームの個性が出ていましたね」と佐藤社長は振り返る。
今大会は、前半のアウト9ホールはスコアが伸ばせるフォアボール方式 （それぞれ自分のボールでプレーし良いほうのスコアを採用する）、後半のイン9ホールがフォアサム方式 （1つのボールを2人が交互に打つ）という独自の試合形式で、男女それぞれの魅力を引き出す工夫もあった。
基本的に前半の9ホールは、男女違うティからティショットを打つのだが、スタートの1番ホールはあえて同じ353ヤードのティに設定。ほぼ全員の男子プロがドライバーを握り、1オンを果敢に狙ったのに対し、女子は左右の池を避けて確実にフェアウェイをとらえるためにドライバーを握らないプロも。また、前半は良い方のスコアを採用するため、女子が確実にパーを獲っていくことで、男子は試合では見せない攻撃的なゴルフを展開した。
独自のルールは他にもある。大会側では男子プロの出場選手を先に選び、それぞれの男子プロが自分の組みたい女子プロに声をかけてペアを組む。普段は交流するところを観ることがない男女プロだが、今大会では、幼なじみだったり、同じコーチだったり、同じメーカーのボールを使っていたり、実は初対面だったり、パートナーを選ぶ理由も様々。意外な関係性も見えて興味深かった。
「我々だけではなく、いろんなところでこういう企画をやれば、プロとの距離が短くなって、どちらのゴルフ界も盛り上がっていくのではないかと思います。男子にも面白いプロたちがたくさんいるので、ぜひ男子のツアーも観てください」と佐藤社長は話す。ゴルフの新しいトビラを開いたペアマッチ。スコアを大きく伸ばしたプロも、伸ばせなかったプロも楽しそうにプレーする姿が印象的な大会だった。
<ゴルフ情報ALBA.Net>