<ニトリレディス 3日目◇28日◇小樽カントリー倶楽部(北海道)◇6775ヤード・パー73>
7月の「ニッポンハムレディス」で初優勝を遂げ、長い不調のトンネルを抜け出した堀琴音がまたしても会心のゴルフを見せた。1イーグル・8バーディ・1ボギーの9アンダー、3日間トータルで10アンダーとし5位タイに浮上。優勝も視野に入る位置で3日目を終えた。
「ティショットがフェアウェイに行き、セカンドショットもストレスなくピンに絡むショットが打てました。2番ホールで池に入れてしまったティショット以外はイメージどおり。なかなかない経験です」と、堀。
18ホールで9アンダーは、パー73でのツアー記録。そして2010年7月開催の「サン・クロレラクラシック」で石川遼が出したパー72のトーナメントコースレコードと同じスコアだ。
「9アンダーは個人的にもベストスコアなので嬉しいです。イーグルも久しぶりでしたし、そこから乗っていけました」と笑顔で話したが、実は1番2番ホールは不安を抱えてもおかしくない出だしだった。1番ティショットでは振り遅れて右に打ち出してしまい、続く2番でもティショットを池に入れてボギー。以前の堀であれば、そこで崩れてしまっていただろう。だが今は違う。「初優勝してから前向きになれた」と話すように、自分に自信を持って迷いなく振り切れている。だからこそ獲れた3番のイーグルだったのだ。
「ツアーデビューした年からニトリレディスは小樽CC開催なのですが、実は小樽CCは得意じゃなくて、いつも自分を試されている感じがしていました」というほど、小樽CCの難しさを肌で感じていた堀。それがコースレコードを叩き出したのだから、不調のトンネルが堀を大きく成長させたことを証明している。
「14番のバーディは右サイドの木の下から低い球で転がしてピンそば1メートルに寄せました。上には上げられない状況だったので6番アイアンで低い球を打ち、転がして寄せる選択をしたのですがイメージどおりでした。以前は低い球とかあまり好きじゃなかったんですが、練習でハーフショットを打ち込んでいるうちに、距離感とかイメージできるようになったんです」
スイング作りのために繰り返した練習が、ショットの引き出しを増やしたということ。そして苦しんだ末の初優勝が大きな自信を生み、難攻不落の小樽CCに勝つことができたのではないだろうか。堀の9アンダーはただの爆発力ではない、明日の最終日も同じようにラウンドすることを予感させるものだ。
「2日目からショットはよかったんですが、パターのタッチが合っていませんでした。それが今日はパターのタッチが合ってきて、楽しく回れました。難しいコースなので、自信になります。明日の最終日も、しっかりアンダーを出して回りたいです」
首位の全美貞(韓国)とは4打差。堀にしてみれば射程圏内、十分逆転可能な差だ。堀のさらなる会心のラウンドに期待しよう。
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