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勝みなみのキラリと光った取捨選択　ツアー史上最大の下剋上なるか！？

＜ゴルフ5レディス 2日目◇4日◇ゴルフ5カントリー 四日市コース（三重県）◇6563ヤード・パー72＞
初日を終えて94位タイ。出遅れた勝みなみが、最下位目前の順位から一気に上位進出を果たした。8バーディ・ノーボギーの「64」と大きく伸ばし、トータル6アンダーの暫定11位タイまで浮上。初日94位からの優勝となると、2013年の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」で53位タイから勝利した成田美寿々を大きく上回る、ツアー史上最大の逆転となる。
勝らしいスパッとした決断が光った。「前週のニトリレディスでパッティングが右に出ている感じがして。気分転換もかねて別のものを使おうと思いました」と、大会初日にパターを替えて臨んだが、出だしから3パットするなどしっくりこない。「全く戻らなかった」と、これが最後までよくなることはなかった。
すると勝は、“もう一度試そう”とはならずに、すぐに元々使っていたものに戻した。すると、2日目の出だしに6メートルを沈めていきなりバーディ。「やっぱりこのパターだな、と自信がつきました」と信頼を取り戻すと、その後もチャンスをことごとく決めた。それでも「もっといけたという悔しさもある」と言うほどだから、いかに状態がよかったかが分かる。
一方、今週から投入したもので2日目も替えなかったのがボール。「先週パターが入らなかったので何が悪いのかを確認しよう」と、オレンジと白のツートンカラーのボールにスイッチした。これで「右に押し出したらすごくわかる」とパッティングの回転は明確に。ただ「ショットのときは、どちらか一色だけ見えるようにしている」という違和感もおぼえたが、「今週はこれでいこうと決めたので」とパターを替えたこの日も継続して使用。「あしたも替えないと思います」と、これについては初志貫徹をつらぬく構えだ。
また、出遅れたもう一つの理由としてスタートホールでのOBがあった。トリプルボギーでのスタートに「落ち込みました（笑）。気持ちの切り替えは時間がかかりました」とさすがの勝も苦しんだが、「打ったものは仕方ないと。パーで粘っていくしかないなと思ってやりました」とガマンを続けたこともこの日の大カムバックにつながった。
ちなみにスタートホールでトリプルボギーを叩いた選手の優勝は、2019年の「ヨネックスレディス」の上田桃子以来、史上2人目の珍記録となる。現時点で首位とは4打差。スコアが出るコースだけに可能性は十分にある。暫定首位タイには仲のよい新垣比菜の名も。「刺激になるというか、うれしい。私も負けないように頑張って上に行きたい」。ライバルの久々の活躍も力に変えて、大逆転に打って出る。（文・秋田義和）
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