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長いクラブで飛ばすだけがゴルフじゃない　UT4本に長尺ドライバー、監督プロゴルファーのセッティング

＜ANAオープン 2日目◇17日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース（北海道）◇7063ヤード・パー72＞
QT上位の資格でレギュラーツアーに参戦中の阿部裕樹。栃木県の佐野日大高校のゴルフ部監督という顔を持つ異色のツアープロは、バッグの中身も個性的だ。
ゴルフ部員に日頃から伝えているのは、「高校生なので長いクラブで打ちたいし、ピンしか見ていないけど、マネジメントで考えることはいっぱいあります」。身長167センチ、飛ばしでアドバンテージをとるタイプではないが、大会2日間でパーオン率が1位（86.11％）、フェアウェイキープ率2位タイ（64.29％）と精度の高いショットが武器になっている。そんな阿部の14本は、ドライバー、3番、5番ウッドの下にウッド型のユーティリティが4本（21、24、27、30度）。アイアンは7番から入れている。「女子みたいって言われたこともありますが（笑）。ユーティリティのほうが簡単ですし、球も上がる」と昨年からこの14本で調整してきた。
飛距離のについては「科学の力で飛ぶようになりました」と長尺ドライバーがアシスト。もともと44.5インチと短尺を使っていたが、こぶし1コぶんほどシャフトを伸ばして「リアル、20ヤードは伸びました」と語る。
「優勝がきっかけでうちの高校に入ってくれる人が増えたらうれしいし、ボクもその子たちとゴルフができる」と32歳、異色のプロゴルファーが目指す初優勝。歴代覇者を見ても飛ばし屋が絶対有利ではないのが「ANAオープン」。「どうやってボギーを打たないかというのを3年間でしっかり教えて、大学やプロにいってくれたらうれしい」と、自らの背中で道を示したい。（文・谷口愛純）
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