<日本女子オープン 3日目◇2日◇烏山城カントリークラブ(栃木県)◇6550ヤード・パー71>
渋野日向子にとって、この日のラスト3ホールとなった終盤の7番パー4。残り115ヤードの2打目を46度のウェッジで放つと、直後、グリーン近くのギャラリーがどよめいた。このベタピンショットを、あとは“お先に”と流し込み、ようやく初バーディを奪った。
とにかく苦しい一日だった。出だしの10番から4パットのダブルボギー。さらに続く11番パー3では、バンカーから2メートルに寄せるも、パーパットが決まらない。「毎ホール難しいところ、傾斜や微妙なラインに(ピンが)切ってあって。読みにくいし、タッチも合わせにくい最後まで難しかった」。ナショナルオープンのグリーンセッティングに手を焼いた。
その後、難関の17番、さらに後半の2番でも2〜3メートルのパーパットを外し、一時は予選通過圏内から名前がなくなった時間も。そのなかでもガマンを続け、ようやく表情を緩めることができたのが7番だった。「7、8、9番で言うとチャンスは7番しかない」というターゲットホールで、「練習してきていた4本のウェッジのうちの1本」で放った“きょう一”のショット。「あれだけベタっとついたのはうれしかった。唯一のバーディがあれでよかった」。練習の成果を発揮し、観客のボルテージを上げた一打は、自身の気持ちも高める大きなプレーになった。
3アンダー・4位タイからスタートしたものの、序盤からショットが左へ左へと出ていく状況も耐え忍んだ。この原因について本人は、「左に出る時は大体右肩が下がる。あと初日は左に振り抜けていたのが、左に行き過ぎると今度は右に打ち出し過ぎてしまう」と、心当たりについては分析する。この修正をきっちりして、決勝ラウンドに臨むことになる。
ただこの日も飛距離は十分で、3番パー5では現在ドライビングディスタンスでツアー1位につける原英莉花をオーバードライブするほど。「スタートホールから、若干アゲいてたのに、『飛ぶな』と思っていた。飛ばしたい欲と、ちゃんとスイングしたい気持ちがケンカして最後まで行ってしまった感じですね」。“正確性”と“飛距離”。このバランスを今後も整えていく。
結果的にトータル1オーバーで大きく順位を落とした。ラウンド後の会見では、「自分に失望した」という言葉ももれたほどだ。もちろん悔しい一日ではあったが、それでも大歓声に支えられた。「自分自身を励ますことができず、ギャラリーのみなさんの力を借りました。あしたもたくさんの方に見てもらえると思うので、しっかり応えられるよう頑張りたい」。決勝ラウンドは自らのプレーで、もっと多くのどよめきをコースに起こしたい。
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