<スタンレーレディス 最終日◇10日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇6592ヤード・パー71>
渋野日向子が首位との2打差を追いつき、最後はプレーオフで勝利を飾った。2019年「大王製紙エリエールレディス」以来のツアー5勝目。同年に制した海外女子メジャーの「全英AIG女子オープン」を含めると6勝目。
初優勝は同年5月の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」。最終日を首位タイでスタートすると、この日もプレーオフを戦ったペ・ソンウ(韓国)とのデッドヒートを制し、プロ初優勝を公式戦で飾った。
その2カ月後。「資生堂 アネッサ レディス」では2打差から追いつき、イ・ミニョン(韓国)とのプレーオフに突入。ここでミニョンを振り切り、ルーキーイヤーで2勝目を飾ると、その勢いはその1カ月後の全英まで続くことになる。
はじめての海外ツアー参戦がメジャー大会。その大舞台で躍動した。初日から驚きの快進撃を見せると、3日目を終えて単独トップに躍り出た。迎えた最終日、終始攻めの姿勢を崩さず、最後は決めれば優勝の6メートルのパットを決めて、42年ぶりの日本人女子メジャー制覇を成し遂げた。
日本中が渋野の偉業に沸くなか、帰国後は思うような成績を残せずつらい日々を過ごしたが、9月の「デサントレディース東海クラシック」では最終日に8打差を逆転し、国内3勝目を果たす。日本中が渋野に注目する中、シブコ・フィーバーはますます熱を帯びていく。
その2カ月後の11月。賞金女王争いを演じていた渋野は、シーズン残り2戦なった大王製紙エリエールレディスで、首位と2打差で迎えた最終日に「66」をマークして逆転優勝。タッグを組んでいた定由早織キャディとの初優勝に涙した。
賞金女王は逃したものの、最高の年を締めくくった渋野だったが、20年はコロナ禍に翻弄された。不振を極め未勝利に終わると、21年にはスイング改造など新しい自分づくりに専念。海外挑戦を大命題に信じる道を進み、ようやく優勝という成果を導き出した。
これで海外含め6勝目。ニュー渋野の新たな歴史がここから始まっていくことになりそうだ。
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