<富士通レディース 初日◇15日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6679ヤード・パー72>
2020-21シーズンは、これまで一度もトップ10フィニッシュなし。「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」後のリシャッフルにより、ツアー終盤の出場が限定的となっている成田美寿々が、5アンダーで回り5位タイでフィニッシュした。
「これまでアイアンが飛んでいませんでした。でも、3番でボギーを叩いた後の4番で、調子がいいときのアイアンの飛距離が戻ったんです。残り167ヤードを6番アイアンで、ピン5メートルにつけてバーディを奪いました。そこから波に乗れました」と話したとおり、この日奪ったバーディは6つ。ひとつボギーを叩いての5アンダーフィニッシュだった。
「富士通レディース」は12年に初優勝を遂げて18年にも勝利を挙げている大会だけに、2日目以降もスコアを伸ばすことが期待されるのだが、心配のタネは腰痛である。ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンでは最終日に9ホールを回った時点で、腰に「ピキッときた」と棄権をしている。このときは、リシャッフル直前の大事な試合だっただけに周囲を心配させた。
「恥ずかしい話ですが、打ったとたん球が上がらないのが分かる。飛んでいくイメージがまったく持てない。球を操ることができませんでした。それがバーディを獲るためのショットが打てるようになった感じです」
腰痛のほうは、まったく体が動かないということはなくなり、ストレスなくラウンドができているという。ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンでの途中棄権は「大事をとってのこと」だったようだ。
今大会残り2日間について聞くと、「天気は快晴でほぼ無風。今日は気持ちよく回らせてもらいました。天候にもよりますが、明日以降も60台で回ってアンダーパーのラウンドを続けたいです」と話し、2勝を遂げた得意コースでの復活を期待させた。
ツアー13勝を誇る成田だが、2019年の「大東建託・いい部屋ネットレディス」以降、優勝の2文字から離れている。だが、決して後ろを向くことなく、腰痛解消のためのトレーニングに励んでいる。不調の場にとどまることを知らない、アスリートの姿がそこにはある。過去には香妻琴乃や藤田光里といった人気プロの初優勝を阻み、「かわい子ちゃんハンター」を自称。強いヒール役を演じてきたその姿が戻ってくることを、祈らずにはいられない。(文・河合昌浩)
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