<富士通レディース 2日目◇16日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6679ヤード・パー72>
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の正会員資格を持たない高木優奈が快進撃を見せた。大会2日目は7バーディ・2ボギーの「67」で回り、首位と4打差のトータル8アンダー・6位タイで最終ラウンドに向かう。
高木の現在の肩書きは『TP単年登録者』。つまり、JLPGAプロテストに合格していない選手であり、今季限りの出場が認められる選手。高木は2019年のファイナルQTで43位に入り、20-21年シーズンを戦ってきたが、正確にいうと『プロゴルファー』ではない。
ところが、この単年登録制度は今季限りで廃止。今後は正会員しかQTを受検できないため、高木が来年の出場権を得るためには、今季中にレギュラーツアーで優勝するか、賞金シードで50位内に入るか、もしくは11月に開催される21年度の最終プロテストに合格し、その後のQTで出場権を得るしかない。
そんな崖っぷちに立たされている高木は、6月に行われた20年度のプロテストもスキップ。あくまでも賞金を獲得しシード入りを狙ってきた。そして、現在の同ランキングは69位。試合数も少なくなる中、厳しい状況に立たされている。
そんな境遇を打破するために奮闘する高木が優勝のチャンスをつかんだ。そこには、後輩の活躍から芽生えた強い気持ちも影響している。先週の「スタンレーレディス」最終日を最終組で回り、プレーオフに進出するも敗れた佐藤心結(さとう・みゆ、明秀学園日立高3年)は同じ三觜喜一コーチに師事する仲間。その後輩のプレーを見て、うれしさとともに、悔しさも味わった。
「すごいとは思いますけど、自分が先を越された、自分はまだ最終組で回ったこともないのに、という悔しい思いもあります。彼女が『優勝する』と言っていたのを知って、そこが違うなと思ったし、すごく悔しい気持ちがした。だから、優勝を狙って、このあとの試合につなげたいと思っていたので、今日のプレーはうれしかった」
残された試合で賞金を積み上げ、賞金シードを獲得すれば正会員になれるが、目指すは“優勝”。上位に優勝経験豊富な選手が軒並み顔をそろえる中で、手っ取り早く正会員の資格を得るには、頂点を狙うしかない。「8アンダーぐらい出さないと無理だと思うので。とにかくたくさんバーディを獲っていきたい」。先を行く勝みなみや渋野日向子と同じ黄金世代の一人。これまで味わった悔しさを、最後の18ホールにぶつけ、正会員になってみせる。
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