<富士通レディース 最終日◇17日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6679ヤード・パー72>
天候に恵まれた初日、2日目がバーディ合戦になり、レベルの高い戦い繰り広げられていたが、最終日は午前8時10分の第1組スタートごろから強い雨が降り続き、9時30分にコースコンディション不良のため一時中断。その後、天気が好転する様子もなく10時45分に中止が決まった。予選2日間を終えて首位タイに並ぶ勝みなみと古江彩佳の二人が、プレーオフで決着をつけることになった。
2週連続優勝を狙い、首位を1打差で追うはずだった渋野日向子は「ちょっと悔しい気持ちはあるかな。でも優勝した翌週に最終日を1打差で迎えられるプレーができたのはよかったです」と話した。
今大会では2週連続優勝について聞かれることが多かった渋野だが、「試合が始まる前に狙っているかどうかを聞かれたときはあまり考えていませんでしたが、最終日を迎える時点で優勝を狙えるポジションにいただけに、戦えないことはやっぱり悔しいです」と、続けた。
そして、「予選の2日間は大きなミスもなく13個のバーディが獲れました。イヤなミス、もったいないボギーもあったけど、これだけバーディを獲れたのは最近なかった。スコアの伸ばし合いになると予想されていた大会だけに、出遅れなかったのは成長を感じています」と話し、初日に言っていた「スイングの気持ち悪さ」を残したままスコアを伸ばしていけたことに対して、「前よりも対応ができている」と自身を評価。「ちゃんと大人になれているのかな」とシブコ節も出た。
中止の知らせを聞いたときにまず思ったことはという質問に、「スリーパット〜」と笑いながら答えた渋野。2日目に渋野らしくない3パットがあり、「あれがなければ自分も12アンダーで3人でプレーオフができたのに」と悔いを見せる場面もあったが、すぐ後に今週は「やり切った感はある」と続けた。
ゴルフにおいて大事なのは“自分でコントロールできないこと”については、思い悩まないことだ。自然を相手にするゴルフでは風や雨など自分でコントロールできないことが多い。それを渋野は理解しているのだろう。だからタラレバを口にすることはあっても、すぐに切り替える。
次戦の「NOBUTA GROUPマスターズGCレディース」は、21日(木)に開幕する。「狭くてトリッキーなところもあり、難しいコースだという印象。今の自分がどれだけできるか試せるのが楽しみ」と渋野は言うが、愚直に一歩ずつスイング改造に取り組んできた結果が出始めている。最終日に再び優勝争いを演じるポジションにいることを期待しよう。(文・河合昌浩)
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