<日本オープン 最終日◇17日◇琵琶湖カントリー倶楽部 琵琶湖・三上コース(滋賀県)◇6986ヤード・パー71>
18番でボギーパットを入れて、コースに向かって深々と頭を下げる。今季のプロツアーは10試合目、最終日も「76」と伸ばせずに終わったが、悔やんでいるヒマはない。
世界アマチュアランキング1位に立つ中島啓太(日体大3年)は、腰痛の影響も残るまま苦戦を強いられ、トータル6オーバーで終了。「ティショットが悪かったので、悔いが残りました」と振り返ったが、気持ちの切り替えはできている。
来週は推薦を受けて「ZOZOチャンピオンシップ」に出場。「プロ転向してすぐに海外にいく予定なので、その前に世界を感じられるのはいい経験」と、予選落ちのない4日間、米ツアーの選手たちから多くを学ぶつもりだ。
とくに楽しみにしているのがコリン・モリカワ(米国)との対面。2021年「全英オープン」でのモリカワの優勝スピーチが心に残っている。『世界一のギャラリーの前で優勝できて、うれしい』。そのシーンを見て、全英オープンで活躍したいという思いを強くした。「感動しました。ああいうスピーチをした方としゃべってみたい。人間力やスポーツマンシップを感じられたら」と、得られるものは計り知れない。
世界アマチュア1位の称号、「マーク・マコーマックメダル」の獲得で、来年の全英、「全米オープン」の出場は決めている。「まずはアジアアマで優勝して、マスターズの切符を獲ること、そして全英オープンでローアマを達成することが、一番の目標です」と意気込む。
明日にはZOZOに向けて会場近くのホテルへ移動。それを終えたら大学の団体戦、優勝者に「マスターズ」出場権が与えられる「アジアパシフィックアマチュア選手権」に出場と、休みなく試合が待っている。「忙しいですね」と笑う顔には、これから続く大一番への高揚感が浮かんでいた。(文・谷口愛純)
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