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関東以北での日本オープンはもう見られない? 3つのオープンが終わって見えてきた問題点

今年の「日本オープン」最終日は17日(日)に滋賀県の琵琶湖CCで行われ、ショーン・ノリス(南アフリカ)が大会新記録の19アンダーで優勝。これで日本ゴルフ協会(JGA)が主催する3つのナショナルオープン(日本オープン、日本シニアオープン、日本女子オープン)すべてが終了したことになる。
ここで見えてきた、いくつかの問題点がある。日本最高峰の大会といわれる日本オープンでありながら、出場選手がわずか120人しかいなかったのだ。これは毎年156人程度の規模で争われている「全米オープン」などに比べると、あまりに少ない。
現在、日本オープンの出場権を得るための戦いは、実は半年も前から始まっている。全国8カ所で行われるドリームステージ(1次予選)がスタートしたのは4月12日。昨年の日本オープンが開催された紫カントリークラブすみれコースでその長い闘いの火ぶたが切られ、他コースでも行われたあとは6〜8月の地区予選、9月の最終予選を勝ち抜いてようやく本選切符を得る。
ドリームステージが始まったことで、以前よりは大きく門戸を開いている。だがゴルファーナンバーワンを決める戦いだけに、ひとりでも多くの選手に本選出場のチャンスを与えてあげたいところ。それがかなわない最大の原因は、10月に開催されることだ。『秋の陽は釣瓶落とし』のことわざを引っ張り出すまでもなく、日照時間が短いことが最大のネックなのだ。
たとえば6月あたりなら、相当な人数の選手が出場できるはず。実際、赤星六郎が優勝した第1回から2、13、14回が5月に、3、10、12回は6月に行われている。だが、戦後になると秋に開催されている。JGAの山中博史専務理事は、その裏事情をこう明かす。
「ゴルフのベストシーズンが秋だというのがあって、9月、10月を『オープンマンス』にしましょうということで、シニアも女子も日本オープンもそこでやっていると思うんですが、(中継局の)NHKの(放送)枠の問題もあるし、日本の国内の(ほかの試合との)スケジュール(調整)の問題もある。ドリームステージをいつ始めるかとか、優勝者に(日本オープンの)出場権が与えられる地区オープンとの兼ね合いもある。日程を変えるとなると、越えなければならない多くのハードルがあります」
テレビ中継、年間スケジュールとの兼ね合いなど、さまざまな事情が絡んで今の日程に落ち着いたわけだ。しかし桜前線は北上し、紅葉は南下する縦に長い日本列島だからこそ、大会を10月に固定している弊害が生まれている。今の時期に行うならば日照時間を考慮すると、大会の開催場所の北限が関東までになってしまうのだ。
「日照時間や気候の問題で、やはり北のほうは難しいです。1990年の小樽ではストーブ炊きながらやっていましたし、99年は嵐の中での試合となってしまいましたから」と、山中専務理事。確かに99年の小樽は、今でも語り草となるほど、過酷なコンディションだった。最終日は強風と豪雨の中、尾崎直道が優勝を飾ったが、スコアはトータル10オーバーという過去最多ストローク。最終日はアンダーパーがひとりも出ないという、壮絶な戦いとなった。秋というよりも初冬に近い10月の北海道でこのコンディションは無理があった。その後の22年間はすべて関東より南でのコースが選定されており、北海道だけでなく東北、北陸地方での開催もない。来年以降の3年間は兵庫、大阪、埼玉の順で開催が決定済みだ。
3オープンの日程そのものが1週おきに行われることも、現場のスタッフたちにとっては大きな負担となっている。今年の場合は日本シニアオープンがシャトレーゼ・ヴィンテージGC(山梨県)で9月16日に開幕すると、1週あいて9月30日から日本女子オープンが烏山城CC(栃木県)で開幕。さらに1週空いて日本オープンが10月14日に開幕し、17日に終了というスケジュールは、全米オープン主催のUSGAや、全英オープン主催のR&Aとはケタ違いに少ないスタッフのJGAではキャパオーバーに近いはずだ。
そうした状況もあり、日程をずらすという声もないではない。「ナショナルオープンですから北海道だけでなく東北や北陸も回りたいですよね。全米オープンがカリフォルニアでも、ニューヨークでも、イリノイでも、ミネソタでもやるように。ですから日程を固定せず、もっとフレキシブルにしたほうがいい、という意見が出始めているのも事実です」(山中専務理事)
とはいうものの、現実には多くのハードルがあり、今後のスケジュールもいまの流れで決まりつつある。「すでに2024年までの日程も決まり、ゴルフ場とも契約が済んでいます。28年ごろまでの調整もすでに進んで内定も出始めていますから、実際には難しい」と、山中専務理事は苦しい胸の内を明かした。
10月に開催する以上、日照時間の問題は常に付きまとう。「実は数年前、さすがにナショナルオープンで108人は少なすぎるだろうということで、スタート時間を思い切り朝早くして120人まで増やした経緯があります。『ひとりでも多く出したい』という思いからの変更でしたが、当然ホールアウトも日没ぎりぎりになるわけです」と山中専務理事は話す。日程を日照時間の長い時期に移動しない限り、現状の120人から出場選手枠を増やすことは難しいまま。小樽での日本オープンが再びみられる日が来る可能性は、現時点で見る限り絶望的と言わざるをえない。
ナショナルオープンを開催する上で、最も重要なことは何か。JGAが、組織の目的に掲げている「我が国ゴルフ界の健全な発展と普及を図り〜」という一文に立ち返れば、答えはおのずと出る。ベストは5月か、6月の開催ではないだろうか。(日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川 朗)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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