米カリフォルニア州ミュリエタのベアクリークGC(パー72)で開催された米男子下部のコーンフェリー・ツアーの来季出場権をかけたクォリファイング・トーナメント・セカンドステージ最終日、29位からスタートした石川遼は5バーディ、3ボギー、1ダブルボギーの72と伸ばせずトータル4アンダー、35位に順位を落とし、最終予選会への出場権は得られなかった。
最終18番パー4、3メートルの沈めバーディで締めくくったが悔しそうにうつむいた。
「悔しいは悔しいけれど、今の自分の力を理解できた。今の自分に目を背けないでしっかりと向き合ってやっていきたい」とアテストを終えると長かった4日間の戦いを振り返った。
29位で迎えた最終日、少なくとも3打は伸ばさないといけいない状況だった。2番パー5で3打目を60センチにつけてバーディが先行させる。だが、5番、6番は連続3パットで後退した。7番で取り戻したが、痛かったのは9番パー5。
ややアゲンストの風の中、ドライバーを手にしたが左に曲げて赤杭の茂みの中、見つからずにロストとなり暫定球も左の茂みで出すだけ、2メートルを沈め6オン1パットのダブルボギーで大きく後退した。後半も3つのバーディを奪ったが「72」のパープレーは合格した13位タイ、トータル9アンダーには5打及ばなかった。なお、「66」と伸ばしトータル17アンダーのマット・ピカンソ(米国)がトップで通過している。
「悪いところがぜんぶ出たと思う。でもこの状況に来られたからこその収穫もあった」と話す石川。一番大きな収穫となったのはそれは致命傷にもなった9番(パー5)のティショットという。
フェアウェイは狭く左右が赤杭、3日目までは3番ウッドでティーショットを打っていた。だが、最終日はややアゲンスト。「3番ウッドなら2オンできない」とドライバーを手にした。結果は左に大きく曲げてペナルティエリアへ、暫定球も左へ飛んだ。結果はダブルボギー、後半への勢いを止めてしまった。
それでも「きょうはあのショットが出てよかった」と話す。その理由は「長期的にみたらああいうホールで両サイドが赤杭というホールでドライバーを打っていかないといけない。やっぱりそのスイングが身についていないということが分かった。それはすごくよかった」のだという。プレッシャーの下で打ったドライバーショット、その中で「自分の体の動きやクラブの動きが、ぜんぜん練習と違うところを通ったのが分かった。そこがすごく収穫」、そう話すと試合が終わってもまっすぐと練習場へ向かい、球を打ち始めた。
最終予選会へは進めなかったが、今後の帰国、日本ツアー出場は「まだなにも決めていない。来年も挑戦?もちろんです。状況は違うかもしれないけれど、目指すところは変わらず米国男子ツアー。どんなルートをたどっても、力があれば行かれると思う」。石川遼の挑戦はまだまだ続く。(文・武川玲子=米国在住)
<ゴルフ情報ALBA.Net>