<樋口久子 三菱電機レディス 初日◇29日◇武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)◇6650ヤード・パー72>
9月の3週から5試合連続トップ10入り。うち1試合で優勝と絶好調から一転、前週は初日に今季ワーストの「78」を叩いて予選落ちを喫した渋野日向子。だが、引きずることはなかった。大会初日は強風のなかでも3アンダーまで伸ばし、3位タイと好発進を決めた。
明らかに好調時のショットを取り戻した。この日のフェアウェイキープ率は92.8%、さらにドライビングディスタンスも4位(246.5ヤード)。前週、寒さで飛距離が落ちたのがウソのように、飛んで曲がらない球でバーディを積み上げた。
スイング改造をした今年は、打つ前の素振りからしっかりとテーマを持って振っている。トップの上げる位置、ダウンスイングの下ろす位置…。今年よく口にする「今やるべきこと」が打つ前から読み取れる。そんな素振りが、前週までと大きく変わっていた。
今回はどうなったかといえば、明らかに“振っている”。マン振りといってもいいだろう。振りぬく意識を持つこと。そのなかで渋野は1つテーマを設けた。
「先週は振り切れていなかったので、振る意識を持ちました。それを考えつつ、ゆっくりトップまで上げて切り返しで早くならないようにタメを作る。打ち急がないように心がけました」
気温が下がって飛ばなくなった前週。飛ばそうとしてさらに飛ばなくなり、曲がっていた悪循環を素振りから改善した。その結果、17.4度まで気温が上がったとはいえ「先週よりもいい感じになりました。何試合か前の飛距離が出せていたと思う」と納得の一日だった。
とはいえ、まだまだ予断を許さない。「まだまだ日替わり。あしたもしっかりと心がけたい。なるべくボギーの少ないラウンドができるように、やるべきことをしっかりやっていきたい」と意識は継続。それをやり通すことができれば、好位置での最終ラウンドが待っている。(文・秋田義和)
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