<TOTOジャパンクラシック 事前情報◇3日◇瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)◇6616ヤード・パー72>
先週の「樋口久子 三菱電機レディス」で劇的勝利をおさめ今季2勝目を手にした渋野日向子が、「もちろん切り替わっている」と新たな気持ちで2週連続優勝がかかる4日間大会に挑む。
開幕前日の3日にコース入り。そのまま18ホールの練習ラウンドやショット、パット練習で調整を積んだ。「休養をできるだけとっている」と体力面を考えてのスケジュール組みもあって、優勝後は岡山県の実家で骨休めもできた。「グリーンの傾斜が先週と同じくらい難しい。(ピンを)切る場所があるのかというくらいきつい場所もあった」と、パットが勝負のカギを握りそうだ。
激闘を制した直後に迎えるのがこの大会だ。先週は最終18番でペ・ソンウ(韓国)に追いつき、その後のプレーオフをイーグルで制すド派手な優勝劇。それもあって「(今季初優勝を挙げた)スタンレーの時より反響が大きかった気がしますね」と周囲のよろこびもよりいっそう肌で感じることになった。
これまでの渋野の優勝を振り返ると、2019年の「全英AIG女子オープン」はもちろん、国内でも印象的な勝ち方が多い。ソンウと競り合った19年の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」ではメジャー大会でツアー初優勝を挙げ、一躍その名をとどろかせた。同じ年の「デサントレディース東海クラシック」では8打差を逆転し、さらに「大王製紙エリエールレディス」の逆転勝利ではプレーオフを待つ練習グリーンで報告を受け涙。今年初勝利の「スタンレーレディス」も最後に追いつき、4人によるプレーオフを制してのものだ。見る者の胸を熱くする優勝がつきものともいえる。
それについては渋野自身も、「今まで断トツの優勝もないし、抜かれては自分が追い越してというのばかりだから、見ている方は面白いしハラハラドキドキできるかな」と自覚する。ただ、「強い選手は最初からズバッといくゴルフをしている」という思いも強い。目指すべきは「面白いゴルファーにもなりたいけど、強いゴルファーにもなりたい」という姿だ。
「ついていけないくらい、スタートから勢いがあるゴルフができるようになりたい」。競り合いも「やっていて楽しい」というが、強者の勝ち方も理想として抱く。ここまでの6勝のうち4勝は逆転で挙げたもので、残る2勝も首位タイから出て競り勝ったもの。そのなかで“圧勝”を目指し、引き続き「やるべきことをやる」という姿勢を貫いていく。
新型コロナウイルスの影響で、ここ2年間は日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が特別公認となっているが、本来この大会は米国ツアーの公式試合。「米ツアーが試合を開催するくらい難しいコース。ここで自分がやりたいゴルフができると(米国の)予選会への励みになる。自分のゴルフをやり切りたい」。現地時間12月2日から始まる今年の大一番に向けての試金石に位置づける大会で、圧倒的な勝利を目指していく。
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