<TOTOジャパンクラシック 3日目◇6日◇瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)◇6616ヤード・パー72>
前日「どうにもパットが入らない」とグリーン上で苦しみスコアを落とした渋野日向子だったが、第3ラウンドはショット、パットともにかみ合い「68」。4つスコアを伸ばし、トータル3アンダー・19位タイに浮上した。
前日34回だったパット数は、この日27回と大きく改善。「きのうは上りのラインでも緩みがちだったけど、きょうはしっかり打てた。3パットが1個(2番、ボギー)あったけど、それ以降はよかった」とストレスも軽減した。ただそれ以上に“殊勲”として渋野が挙げたのが、ウェッジショットだった。
スタートホールの1番パー5から、52度が冴えた。残り90ヤードを1.5メートルにつけてのバーディ発進。その後1つずつのバーディとボギーを記録して迎えた6番パー4でも、ピンまで残り90ヤードの第2打を52度で1メートルにつけ、スコアを伸ばした。
さらに折り返し直後の10番パー4でも、残り93ヤードの2打目が三度(みたび)52度でベタピンにつけるスーパーショットに。「練習ではあまりいい感触ではなかったけど、52度のウェッジで3つのバーディが獲れた」と、これを武器にスコアボードに“〇”を積み重ねていった。
チャンスを演出するだけでなく、ピンチを救ったのも、やはりウェッジだった。13番でバーディを奪った後の14番パー4。ここではティショットを右のフェアウェイバンカーに入れてしまい、そのライがアゴに近い左足上がりの傾斜という苦しい場面を迎えた。
すると、このバンカーのなかで「左足上がりだったのでアゴに当たる可能性は低い」と5番ユーティリティを強振。ピンまで70ヤードほどのフェアウェイに戻すと、3打目を58度で打って“お先パー”の位置につけた。「ウェッジの距離までもっていきたかった」という策が奏功したガッツパーで、つかんだ流れを手放さずに済んだ。
今年から4本体制(46、52、54、58度)となったウェッジは、特に練習を重ねてきたクラブでもある。「いい感触ではない」というなか、そこから放たれるショットに手応えを感じられたことは自信にもつながる。「明日は今よりもいい位置で終われるよう、悔いのないように」。首位とは10打差と2週連続優勝は厳しい状況に追い込まれたが、最終日も思わずうなってしまうようなキレのあるショットを連発し、この4日間を締めくくりたい。
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