<伊藤園レディス 最終日◇14日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741ヤード・パー72>
大会通算3勝。2015年には賞金女王を決めた地で、イ・ボミ(韓国)が長いシーズンに終わりを告げた。次週「大王製紙エリエールレディス」にエントリーしておらず、一足先に2021年がフィニッシュとなった。
トータルイーブンパーの20位タイから出た最終日は3つボギーを叩いてバーディなし。トータル3オーバーと最後まで苦しみ、逆転でのシード獲得もならなかった。
昨季は前年に喪失した賞金シードを復活させたボミだったが、コロナ禍の影響により20-21年と統合となった今季はまた苦しんだ。感染予防の水際対策で入国が遅れたこともあって、自身の初戦はツアー11戦目となる20年の「TOTOジャパンクラシック」。次の伊藤園レディスで3位に入ったものの、年が明けてからは5試合連続で予選落ちを経験するなど上位に入れず、4年ぶりの優勝どころかトップ10すら一度もなし。良いところがないまま終わってしまった。
次戦に出ない理由として挙げたのが精神面のつらさだった。「みんなに『出てほしかった』と言われましたが、自分としては休みたい思いが強かった。心が折れちゃうかなと思った。今回は自分に時間をあげたかった。今年で(日本ツアーは)10年。毎年30試合以上出ていた。コロナのこともあって、試合に集中するのが難しかった」と身体も心も疲れていた。
特に負担となったのが新型コロナウイルス感染拡大の水際対策となる2週間の自主隔離だった。「何もできないことでもったいない時間がありました。(それがあるから)ちょっと体が痛くても韓国にすぐいけないこととか。リフレッシュができなかった。ゴルフがよかったらそれらも大丈夫だと思うけど、スイングも思った通りにいかないしプレーもダメ。全部がダメだった」。ゴルフがよくないから気持ちも上がらない。スカっともできない。そうやって蝕まれていった。
賞金ランキングは50位に届かず、日本参戦後2度目の賞金シード落ち。そして日本参戦後としては自身初めてとなる来季の出場権がない状態(18年シード喪失時は賞金女王獲得の3年シードがあった)で来季を迎えることとなる。
来季も日本ツアー参戦を考えているものの、出場権をかけたファイナルQT(11月30日〜12月3日、葛城ゴルフ倶楽部 宇刈コース)には出場しない意向。「来年は推薦もらえたら参加したい。推薦もらえるかどうかで決めたい」と主催者推薦で出場できる8試合をベースに、そこで上位に入ってリランキングで出場権を狙うという戦い方となる。
韓国に帰ってからは「早く家に帰りたい」という。「料理もしたいし、掃除もしたい。自分の時間を家で過ごしたい。来年は推薦で出るのでクラブはずっと持っていると思う。旅行もいけないので、家で旦那さんと家族と過ごせたら」とまずはリフレッシュ。そして「韓国帰ったらいろんなコーチのところに行ってみたいと思う」とスイングの復調へいろいろなアドバイスをもらう予定。
賞金女王を2度戴冠しただけでなく、スマイルキャンディの名にふさわしい愛くるしいルックスとキャラクターで韓国だけでなく日本からも大いに愛されている。「最後のホールでカメラマンさんがたくさんいて、シードが終わった、引退のような気持ちになりました。来年もちょこちょこ試合に出るのでよろしくお願いいたします(笑)」と笑わせつつも会見の最後には涙を浮かべたボミ。ここからもう一度立て直して、またとびっきりの笑顔を見せてほしい。
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