秋晴れのフェニックスカントリークラブ(米アリゾナ州)で多くのゴルフファンが沸いた。アリゾナ州立大出身のフィル・ミケルソン(米国)にとってほぼ地元といえるフェニックスで最終戦勝利を挙げた。
PGAツアーチャンピオンズは2020―21年が1シーズンなった“スーパーシーズン”の終わりに相応しい熱戦が繰り広げられた。「チャールズ・シュワブ・カップ選手権」最終日。首位のジム・フューリク(米国)と3打差でスタートしたミケルソンは、6バーディーのボギーなしで「65」をマーク。上がり4ホールで3つのバーディーを奪い見事な逆転劇を演じた。
最終18番パー5では、グリーン奥からのアプローチをピン1メートルにつけるとこれを沈めてバーディ。トータル19アンダーで、2位に2打差をつけて逃げ切った。
昨年50歳を迎えたミケルソンは、PGAツアーチャンピオンズ出場6戦で4勝。これはジャック・ニクラス(米国)と並ぶ金字塔だ。、昨年参戦を果たしたツアーで圧倒的な強さを見せつけている。
「このフェニックスの最終戦に勝てたことは僕にとって本当に意味のあること。ここでエイミー(夫人)と出会い、僕の人生が始まった。5月に全米プロ選手権も制した今年は本当に良い1年だった。年内はしっかりと休んで、来年はまたレギュラーとチャンピオンズで素晴らしいプレーしたい」
そう話すミケルソンを「ベルンハルトにおめでとうと言いたい。彼をもっともっとできると勇気がわく」と唸らせたのが、64歳のベルンハルト・ランガー(ドイツ)だ。最終日に「69」をマークし17位。詰め寄ったジム・フューリク(米国)を抑えてポイントレースを制し、6度目のシーズン王者に輝いた。
3週前に同ツアーの最年長優勝を記録し、ポイントレーストップでこの最終戦を迎えていた。しかし2日目を終えるとフューリクが逆転。だが3日目にエージシュート達成となる「63」をマークし再逆転した、王者の行方は最終日の最終ホールまでもつれ込んだ。フューリクが逆転するにはイーグルが必要という場面だったが、フェアウェイから打った2打目は左に大きく曲がってスタンドへ。ドロップして打ったが大きくオーバーし、ランガーが王者になることが決まった。
週末は背中の痛みにも耐えて戦ったランガー。「この2年間で39試合を戦った。いろいろなことがありすぎて言葉にならない。ここまで戦えたことは支えてくれた家族のおかげ。本当に感謝している」と感慨深く話すレジェンドの強さはまだまだ続きそうだ。(文・武川玲子=米国在住)
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