下部ツアーの賞金王で現在19歳の久常涼は、先週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で4位タイに入り、レギュラーツアーの賞金シードを確定させた。魅力はなんといってもその飛距離。キャリーで300ヤード飛ばすダイナミックなドライバーショットは、生で見る価値あり。久常本人に飛ばしの秘訣を聞いた。
「やっぱり上体が浮いちゃうことが一番よくない。インパクトのときに抱え込めているとけっこういいんですけど、浮いちゃうとけっこう大きなミスになるので、そこは意識しています」と久常。インパクト後も長くボールがあった場所を見続けていることからも、前傾キープへの強い意識が感じられる。
正面からアドレスを見るとワイドスタンスで、ボールをかなり左に置いている。「スタンスはけっこう広くしています。体の大きなところで上げて手先で上げることはしないように。ボール位置が左なのは球を高くして飛ばしたいから。自分でもだんだん左に置いちゃっているなというのはありますね。アッパーで気持ちよく打てる位置が左なんです」。
飛ばしのポイントについては、「下半身の踏ん張りが大事かな。踏み込んで伸び上がる。だけど上体が浮くのはダメ。難しいですけど、それが飛ばしに特化したコツなんだろうと思います」と久常は話す。
トップから切り返しを見ると、左ヒザを外側に開いてからインパクトに欠けて伸ばしていく。「切り返しでガニ股になるほうが、そのあと伸ばしやすい。切り返しで一番近いのは大きな荷物を持つような動作ですね」と教えてくれた。この飛距離を武器に、石川遼、ハン・ジュンゴン(韓国)、松山英樹に続く、史上4人目の10代でのツアー優勝を目指す。
■久常涼(ひさつね・りょう)
2002年9月9日生まれ。岡山県出身。175センチ、75キロ。「アマチュアのタイトルには興味がない」と、高校3年生だった昨年プロ転向。ツアーの出場優先順位1212位と、最初は下部ツアーの出場も難しい状況だったが、5月に推薦で出場した下部ツアー「太平洋クラブチャレンジトーナメント」で3位タイに入ったのをきっかけに、同ツアーで3勝を挙げてレギュラーツアーに昇格。9月の「バンテリン東海クラシック」から、わずか5試合で1千万円以上を稼ぎ、下部ツアー賞金王よりも来季の出場優先順位が高いレギュラーツアーの賞金シードを手にした。
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