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賞金はプロのステータス〜女子ツアーの歴史に見るその大切さ〜【原田香里のゴルフ未来会議】

2021年3月まで日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の理事を務め、いまは女子ゴルフ界発展のため尽力し、自身のゴルフ向上も目指す、女子プロゴルファーの原田香里。まだまだこれからと話すゴルフ人生、そして女子ゴルフ界についての未来を語る。
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ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。今週は、ツアープレーヤーのステータスでもある賞金についてお話ししたいと思います。
2020-21年は、コロナ禍で異例のロングシーズンになったという事情もあり、女子ツアーでの獲得賞金が大きく跳ね上がっています。試合数が増えているのですから当然の部分もあるのですが、それでも現状で賞金ランキング1位の稲見萌寧さん、2位の古江彩佳さんの2人が2億円を大きく超える賞金を獲得しているのはすごいことです。
シード権争いについても同様に金額は上がっています。ボーダーラインとなる賞金ランキング50位も、そのすぐ下の51位も3000万円を超えているのです。つまり、3000万円稼いでも、シード権が手に入らないケースもあるということです。
プロゴルファーにとって、賞金は大きな意味を持っています。今後、その“価値”を図るのは、賞金からポイントに替わっていく予定ですが、現在までは稼いだ賞金額が、その強さを表していたからです。
私が初めて賞金をもらったのは、1989年フジサンケイクラシック。43位タイの賞金は22万円でした。賞金が振り込まれるのは、翌週の木曜日くらいだったと思います。上位で終わった翌週に銀行に行くと残高がポン!と上がって「先週頑張ったからだな」とニヤッとしたこともあります(笑)。
賞金の管理は自分でしていましたが、いつ稼げなくなるかわからない商売だということは自覚していました。だから計画的に使ったり貯めたり、さらには将来的なこと、自分が現役を退く頃のことまでを親と相談していました。
今の選手たちはとても若いということもあって、ご両親などにお金の管理を任せている人が多いようです。けれども、賞金は、自分が死ぬほど努力して、プロゴルファーになって稼いだお金です。当然、家族の絶大なる協力があってプロゴルファーになったのですが、管理をしてもらうことはあっても、自分でもしっかり把握して、将来を考えるほうが健全だと思います。未成年であれ、20歳そこそこであれ、プロとして“仕事”をしている以上、もう子供ではなく社会人なのですから。
日本の女子ツアーの賞金について、改めて調べてみました。1967年に日本プロゴルフ協会女子部として始まり、翌68年には、日本女子オープンと日本女子プロゴルフ選手権の2試合が始まりました。賞金総額は2試合で95万円。このうち35万円を稼いだ樋口久子さんが賞金女王です。2試合とも優勝したのですから、当然でした。
現在のようにツアー制となった88年には、年間の試合数は38試合。年間の賞金額は13億8683万5000円でした。その後、増減はあるものの、基本的には賞金は右肩上がりに増えてきました。ややこしいので試合数が半端になった20年の分を別にすると、21年だけで38試合。賞金総額42億3000万円もあります。53年前の4000倍以上に増えています。4000倍!? 改めて計算して私も驚きましたが、それだけ女子ツアーがみなさんに認知していただいているということだと思います。
初期には樋口久子さん、それから岡本綾子さんというスーパースターが引っ張ってくださって、女子ツアーは大きくなってきました。今のように選手が低年齢化したのは、何といっても03年に宮里藍さんがアマチュアとしてツアー競技のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンに優勝したのがきっかけだったでしょう。若い選手が次々に出てくるのと並行して、人気も高くなってきました。
女子ツアーと、そこで戦う選手たちの広告効果が高いと思っていただいているからこそ、これだけ大きくなることができたのでしょう。理事時代の経験から言うと、主催者の方から「賞金を上げましょう」と、打診していただくこともありました。ありがたいことです。JLPGAとしても当然、営業努力はしてきました。
先輩たちが積み上げてきた様々なものが徐々に形になり、周囲の皆様のサポートがあるからこそ、今日の女子ツアーがあるのはまちがいありません。
意識の高い選手は、自分たちの価値が上がってきていることを理解し、期待に応えようとしていると思います。とても大切なことです。
現在のツアーでは、試合で戦うだけでなく、主催者のみなさんにプロアマで喜んでいただく、という大切な仕事もあります。新人のころ、当時会長だった樋口さんにこう言われたことを覚えています。「プロアマは接待です。練習ラウンドじゃないのよ」と。
トーナメントのプロアマは、試合前日に行われることがほとんどです。そのため、選手が翌日からのことを気にするのは無理もないと思います。練習をするな、というのではなく、ゲストの皆さんを第一優先にして目配り、気配りをし、楽しんでいただくということ。そうすることがなぜ必要なのかを理解することができれば、どんな行動をすればいいかはおのずと決まってくるはずです。
人間同士ですから選手とゲストのあいだに、行き違いが起きたり、お叱りを受けることもないわけではありません。そんなとき大事なのは、誠意をもって対応することではないでしょうか。
理事を務めていたときには、まずは双方の話にしっかり耳を傾けてから対処することを心がけていました。若い選手に対しても「どうしたの? 何があったの?」と。そうすることで、問題点が見えてきて、どう対応すればいいかがわかるからです。わかったら迅速に動く。こうすることで人間関係を円滑にすることに心を砕いていました。
 
ファンのみなさん、スポンサーのみなさんあってのプロスポーツ。協会も、選手もそのことを常に頭に置いておくことは言うまでもありません。いいパフォーマンスを見せようにも、その舞台がなければどうにもなりません。若い頃はゴルフに一生懸命でもよいと思いますが、少しでもそのことを理解し、色々なことを考えて行動して欲しいと心から思います。
原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。11歳からゴルフを始めると、名門・日大ゴルフ部に進み腕を磨いた。89年のプロテストに合格しプロ転向。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。98年には賞金ランキングでも2位に入るなど通算7勝の活躍。一線を離れてからは日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力。今年の3月まで理事を務めていた。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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