9番パー5で11メートルのバーディパットを沈めたラームは力強くガッツポーズ、このままトップを走るのかと思われたが悪夢が10番パー4で待っていた。
ドライバーで打ったティショットはわずかに右ラフへ。スタンスがバンカーとトリッキーな第2打はグリーン奥の深いラフへオーバー、さらに第3打のアプローチもオーバーさせてグリーンエッジ、4打目を3メートルにつけたがこれが入らずダブルボギー、さらに12番パー4ではティーショットを左バンカーに入れると怒り爆発、第2打はグリーンをショートするとアプローチを5メートルオーバーさせてボギー、3ホールで3打落とし後退した。15番で3メートルを沈めて取り戻したが、最終18番パー5も第3打を寄せ切れずにパー、最終日は追いかける立場で迎える。
「すごく良いプレーだったんだ」とラーム。「だけどこのコースは1つ間違えるとこうなる。怒り!苛立ち!はもちろんあった。でも希望は失っていない」と27歳は動じない。
その理由は…・「まるで全米オープンみたいだろう?」と昨年、同コースでメジャー初勝利を挙げたことを思い起こしたという。
21年6月の「全米オープン」3日目は「72」の1オーバーと苦しんだ。だが、最終ラウンドで「67」をマークして逆転勝利。17年に今大会で挙げたツアー初勝利も最終日に「65」をマークし3打差を逆転した。
「全米オープンも3日目はベストじゃなかった。だけど最終日にスイッチが入った。今も同じように感じている」。世界ランキング1位は虎視眈々と逆転勝利を見据えた。(文・武川玲子=米国在住)
<ゴルフ情報ALBA.Net>