常に真剣勝負に身を置き、戦いを続けるゴルファーたち。過酷な環境でクラブを振っているからこそ出る力強い名言、ウィットに富んだジョーク、そしてちょっぴり天然な迷言たちがある。そんな“ゴルファーのことば”を紹介。今回は全英覇者が母国で口にした悔しさを噛みしめた一言。
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「笹生さんはなぜパターの決断が早いの?」
2021年の「ダイキンオーキッドレディス」で好プレーを見せた菊地絵理香が明かしたエピソード。前年の最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の練習日に笹生優花からアドバイスをもらったという。
「笹生さんは一緒の組で回ったときにラインを読むのも打つ決断も早くて迷っているように見えなかったので、『どうやってパターを打っているの?』って聞いたんです。そうしたら『入ると思って打っているんですか? 芝一本でラインもボールの動きも大きく変わるんですよ。入ると思って打たないほうがいいんじゃないですか』って(笑)。それを聞いて、入れに行こうとし過ぎることも考えすぎもよくないんじゃないかなと思いました。そこから入らなくても落ち込まなくなりましたね」
リコーカップの前週となる「大王製紙エリエールレディス」で同組で優勝争いをしたときに「笹生さんは楽しんでやっていました。私にはなかなかできない。本当に勉強になりました。正解はないですが、そういうのを取り入れてやれば私ももっとできるのかなと思います」と話していた。それを翌週、すぐに聞きに行ったのだ。
菊地と笹生は13歳差。一回り以上の後輩となるが、「決断が早いのは若さだけじゃないと思ったし、こういうのに歳は関係ないと思っています」とさらりと言ってのけた。この年の6月に過去最高賞金額となった「アース・モンダミンカップ」で4年ぶりに優勝。この上達への探求心が30歳を超えてなお、第一線で活躍できる理由である。
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