19年シーズンは賞金ランキング51位で、25万円5000円差でシードを逃した金澤志奈。2020-21年シーズンは47試合に出場して、予選落ちはわずか7回、トップ10に9回入る活躍で、メルセデス・ランキング28位、賞金ランキング24位で初シードを掴んだ。いよいよ3月に開幕する今シーズン、ツアー初優勝の期待がかかる金澤のドライバースイングを、堀琴音らを指導する“モリモリさん”こと森守洋氏に解説してもらおう。
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非常にバランスの良いオーソドックスなスイングをする選手だなというのが金澤プロの印象です。
全身をうまく使って「手は何もしていません」というスイング。ただ、金澤プロのようなシンプルで美しいスイングをアマチュアの方が真似しようとすると、トップで収まりが悪く、間延びしてしまうパターンが多いのです。
金澤プロのバックスイングに注目すると、手首のコッキングのタイミングが早いため、トップできれいにクラブが収まっています。左腕に対してクラブが90度、しっかりコッキングしたうえで体をシンプルに回旋させているので、トップポジションでクラブが遊ばず、リリースする準備が整うのです。
ツアーの中では数少ないリリースポイントがボールの先にあるタイプで、クラブが左腕に対して真っすぐになる前にインパクトを迎えています。だからインパクトエリアでのフェースローテーションが非常に少なく、「ボールが曲がって困る」という経験はあまりなさそうです。
切り返しでは下半身から動き出し、上体は右に残ります。インパクト後のフォローの写真を見ると、陸上のハンマー投げのようにきれいにクラブと頭が引っ張り合っています。
トップでクラブの収まりが悪い人には、とても参考になるスイングです。彼女のシンプルなバックスイングを取り入れるなら、アドレスからまず腕は動かさずに手首のコッキングだけで腕とクラブに90度の角度をつけて、あとは体を回すだけというドリルをオススメします。
■解説/森守洋
もり・もりひろ 1977年2月27日静岡県生まれ。ゴルフを始めたのは高校から。95年に渡米しミニツアーを転戦しながらゴルフを学んだ。帰国後は『ダウンブローの神様』と呼ばれた陳清波に師事。02年からレッスン活動を開始し、現在は原江里菜、堀琴音、香妻陣一朗のコーチを務めている。東京都三鷹市にある『東京ゴルフスタジオ』を主宰し、アマチュアへのレッスンも行う。
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