常に真剣勝負に身を置き、戦いを続けるゴルファーたち。過酷な環境でクラブを振っているからこそ出る力強い名言、ウィットに富んだジョーク、そしてちょっぴり天然な迷言たちがある。そんな“ゴルファーのことば”を紹介。今回は50勝を誇る永久シードのレジェンドが、若きメジャー覇者とラウンドしたときに述べたいまのゴルフ界について。
—————-
「ゴルフ生活は長い、焦らずにやってほしいなと思うときもあります」
2021年「伊藤園レディス」で、不動裕理と渋野日向子は同組になった。
ツアー通称50勝を誇る永久シード保持者である不動は、渋野の攻め方に勢いを感じた。「狙いどころが“あの辺”ではなく“点”で攻めている。私は保険をかけていくことが多いですが、渋野さんを見ていると保険はあまりなかったかな」と自分にはなかったその積極果敢なマネジメントを称賛した。
しかし渋野のような若手が切磋琢磨して数多くの勝ち星を挙げている現在のゴルフ界に感心するとともに、危惧する言葉も口にした。
「ライバルがいることはすごくいいことだし、どんどん頑張ってもらいたい。ただ19〜21歳くらいで賞金女王争いをしている選手が多いですが、その選手たちと同じような活躍ができなくてもゴルフ生活は長い。そういった選手たちも焦らずにやってほしいなと思うときもあります」と、当時プロ26年目のレジェンドは自身のゴルフ人生を振り返り、若手にアドバイスを送った。
不動がプロ入りしたのは1996年の19歳のとき。そしてツアー初優勝をあげたのはそれから3年後、99年のこの「伊藤園レディス」だった。
<ゴルフ情報ALBA.Net>