<ウェイスト・マネジメント・フェニックス・オープン 2日目◇11日◇TPCスコッツデール スタジアムC(米アリゾナ州)◇7261ヤード・パー71>
推薦出場のツアールーキーが米国スポーツ界でも屈指のビッグイベントで躍動している。初日を7アンダーでプレーしながら日没のため2ホールを残していたサヒス・ティーガラ(米国)。2日目は5メートルのパーパットから再開し、これを外してボギー。続く9番でもボギーとしたが、すぐにはじまった第2ラウンドが圧巻だった。
出だしの1番から3連続バーディ。その後は16番までに3バーディ・1ボギー、さらには上がり2ホールも連続バーディ。7つスコアを伸ばし「64」のラウンド。トータル12アンダーの単独首位で大会を折り返した。
2020年に大学を卒業。下部ツアーからPGAツアーに昇格したのが昨年。今大会はツアーメンバーとなってからわずか11試合目。「実をいうと何も期待していない。ただプレーできるのがありがたい」と、2週間前に推薦が決まってからはプレーできる喜びしか頭になかった。
ただただ楽しむことを心がけている24歳にとっては、毎日が成長の日々。ここまでトップ10が1回はあるものの、トッププレーヤーがこぞって欠場した試合だった。今週は世界ランカーが集結するなかで堂々のプレー。「もらった機会でベストを尽くすだけ。今のところはすべてがうまくいっている」と笑顔を見せた。
世界のゴルフトーナメントで最多の観客を動員する本大会でも、ニューカマーのティーガラには皆が注目している。急増するファンのなかで、もっともうれしいのは家族の応援だ。カリフォルニア州で両親と暮らすティーガラ。今週は両親に加え親戚やキャディの家族など10人以上の大応援団が集結した。
「わざわざカリフォルニアから来て、この暑さのなかで6時間も歩いて、足も痛いだろうにボクをサポートしてくれているのがうれしいね」
地元の大学をコロナ禍のさなかに卒業。「家を出る理由がなかったから」と、そのまま親と同居を続けるが、そろそろ一人暮らしも…。「それもあるかな、それでもカリフォルニアに住むと思うけど」。勝てば約1億6000万円。新居を構えるには十分な額だ。
「とにかく週末も感謝しながら楽しむだけ」と気負いは今のところなさそうだ。2打差の2位タイには大会2勝のブルックス・ケプカ(米国)と東京五輪金メダルのザンダー・シャウフェレ(米国)。さらにはパトリック・キャントレー(米国)ら強豪がひしめく展開。さて、住宅購入資金は?(文・高桑均)
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