今季の国内女子ツアーのシード選手52人のうち、一番多い出身地は大阪府(西村優菜、山下美夢有、岡山絵里、木村彩子、濱田茉優)。これまで神奈川県や千葉県、兵庫県に熊本県といった地域が多かったが、ここ数年でかなり変化しつつある。
そんななか女子だけでなく男子を含めて台頭してきているのが岡山県だ。藤本麻子や東浩子(高校からも含めれば上原彩子や諸見里しのぶも)と昔から粒ぞろいの地域だったが近年はさらに顕著に。女子で言えば「全英AIG女子オープン」を制した渋野日向子、男子で言えば昨年下部ツアーで3勝を挙げて一気にステップアップした久常涼といった選手が続々と出てきている。
さらに昨年11月に行われた21年度の女子プロテスト合格者21名のうち、4人が岡山県にある高校の出身者だった。ということは、次に来る県は岡山では…ということで、その21年度プロテストにトップ合格した岡山県出身の尾関彩美悠に話を聞いた。
“なぜ最近岡山のゴルファーが強いのか”ということを聞かれる機会は多いという。正直そう言われても「自分ではよくわからないです…」というのが本音だ。だが、渋野もそして自分も育った岡山県作陽高のゴルフ部・田淵潔監督の教えは少し関係しているのではと思っているという。
「田淵監督の教えは強制的でなく、“自分で強くなりたいなら練習しろ”という感じでした。それが伸び伸びできてよかったのかなと思います」
渋野、尾関だけでなく、久常、さらに飛ばし屋で鳴らす幡地隆寛も同校出身。さらに言えば、前述したプロテスト合格者の4人は全員が田淵監督のもとで鍛えられた選手たちだ。
尾関にとって、その筆頭である渋野は姉が同級生ということもあり“日向子ちゃん”と呼ぶ仲。「同じ試合で会ったら話していました。全英もテレビで見ていましたし、ほかの試合で勝ったのも見ていました。偉大な先輩だなと思います」。昨年もその背中で語られた。「日向子ちゃんが後ろのドライビングレンジで一人で黙々と打っていたんです。全英で勝った後でも、これだけやらなければいけない。自分も頑張ろうと思いました」。ほかにも小倉彩愛や桑木志帆といった同郷の“先輩”たちからも多分に刺激を受けている。
「アマチュアで戦ってきた選手たちですので、一緒で回れたら楽しそうだなと思います。それも今季の楽しみですね」。今年は岡山県勢の動向にも注視して見てみよう。
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