<HSBC女子世界選手権 2日目◇4日◇セントーサGCタンジョンC(シンガポール)◇6718ヤード・パー72>
初日4オーバー・60位タイと出遅れた渋野日向子だが、一夜明け迎えた2日目のラウンドでは安定感を取り戻していた。最後の“劇的バーディ”など3バーディ・1ボギーの「70」をマーク。トータル2オーバーまで戻し、順位を49位タイに上げた。
「きのう悪かったところが修正できたわけではないけど、グリーン周りや、パッティングも微妙な距離が入って内容はよかった」。本人も振り返るように、特に序盤は危なげないという言葉がぴったりのプレーを続けた。初日に5つのボギーを叩くなど苦しんだインからスタートしたが、この日はヒヤリとするパーパットすらない。ボギーを打たないゴルフで、チャンスをものにした。
最初にスコアが動いたのは14番。前日もバーディを奪ったホールで、2打目をピン右手前3メートルにつけると、続くパットを決め笑顔が弾けた。さらに1つパーを挟み迎えたチャンスホールの16番パー5でも、確実にスコアを伸ばす。17番では「イメージ通りできて、あそこはすごくうれしかった」という、絶妙なアプローチも披露。快調なラウンドが続いた。
ただ後半は、波乱含みの9ホールとなる。1、2番でチャンスを外すと、前日ダブルボギーを叩いた6番パー4で再び試練が訪れた。ラフからの2打目がグリーン右のバンカーに入るピンチに。しかしこれは見事なバンカーショットで1メートルに寄せ、事なきを得た。
そして、上がり2ホールはまさに“渋野劇場”となった。まずは8番パー5。ここでツーオンを狙った2打目が大きく右に出るミスに。「セカンドは左の池が気になって右に出た。コースにやられた感じですね」。OBこそ回避したが、3打目地点は草が生い茂っており、ただ出すだけ。結局、唯一となるボギーを叩いてしまったが、それでも「ボギーであがれたからこそ最終ホールがあった」と、引きずることはなさそうだ。
その9番パー4は、8メートルほどの下りのパットをねじ込んでのバーディフィニッシュ。「昨日からずっとショートしていた下りのパット。すごくいいタッチで、微妙に曲がらなそうなラインを読み切れてうれしかった」。困難を最小限のロスでしのいでのバウンスバック。それだけにホールアウト時には、ホッとしたような笑顔もこぼれた。
多少のミスはあったものの、ショットは概ね安定。さらに随所で強気のパットを見ることもできた。米ツアーメンバーとして戦うにふさわしい、堂々のラウンドだったといえる。「昨日悪かった部分を、いい風に持っていくことができた。明日もガマンしながら、伸ばすところで伸ばすゴルフができたらいいな」。蒸し暑いシンガポールで、さらなる上昇気流に乗りたい。
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