1年前に死にかけたドラコンプロ、山崎泰宏 開幕戦で324ヤード飛ばして優勝!【心筋梗塞からのフルスイング】

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1年前に死にかけたドラコンプロ、山崎泰宏 開幕戦で324ヤード飛ばして優勝!【心筋梗塞からのフルスイング】

この世で確実なことが一つだけある、それは『死』だ。
これは昔からよく言われることだが、殆どの人はそれを意識しないで生きている。考えると恐ろしくなるのでそれをタブーとして思考から外したり、宗教によって心の平安を保ったりする。そうやって何とか死から逃れようとするわけだが、それも空しく、死の瞬間は平等に誰の元にも必ず『一度』訪れる。
その一度きりの死を、一度、垣間見てきた人間がいる。山崎泰宏だ。彼は、一度、死の瞬間を『体験』したのだという。
それは、去年の4月24日、山口県厚狭ゴルフ倶楽部で開催されたドラコンのLDJ日本ロングドライブ選手権山口大会での出来事だった。日本タイトルを含め何度もドラコン大会でチャンピオンとなった山崎泰宏は、この大会のマスターズ部門(45歳以上)とシニア部門(50歳以上)で優勝を狙うべく会場に入りしたのだが、実は朝からただならぬ体の異変を感じていた。
それは、胸から脇の下、そして首元にかけて今までの人生で味わったことが無いような感覚だった。痛みとも違う、グワァーと襲い掛かってくる津波のような、吐き気を催す感覚だった。それが午前7時と11時半に2度やってきたことで、もはや球を打つことは無理と判断した山崎は大会側に棄権を申し出て、独り車で休んでいた。
一向に良くならない状態のまま15時半ころに、自らの首に手をやり頸動脈に指先を当ててみたところ、『あれ、脈が無い』。その時、未だ心臓は動いていたのだが、指先に脈を感じないほどその鼓動は、まさに虫の息のように弱くなっていたのだ。
心筋梗塞だった。
救急車で宇部興産中央病院に17時45分に搬送された山崎は、濱田頼臣医師の執刀による緊急手術を受けるのだが、これが相当に危険なものだった。一般に心筋梗塞の場合、発症後に4時間が生死を分ける分水嶺だと言われているが、山崎の場合、最初の朝7時の発症から病院に運ばれてきた時点で11時間近く経っていた。この致命的なタイムロスによって、まさに山崎は、オペ中に命を落とす確率が高い中で手術を受けることになったのだ。
この生死を分ける手術の最中に山崎は、『死』を身近に体験したというのだ。
その手術は成功し、術後の経過も『奇跡』と言えるほどの快復ぶりをみせて、発症から52日目に山崎は退院をした。まさに、“生き返った”のである。
よく人は、『生まれ変わったら何をする』という問いかけをする。そんな時に、今度はこんな職業に就きたいとか、次はこんな人と結婚するなどと他愛もない夢を口にするけれど、実際に死を一度垣間見て、九死に一生を得た山崎泰宏は、砂浜についた足跡をもう一回重ね合わせて踏みしめる人生を選ぶという。ドラコンプロという人生だ。せっかくもう一度もらった人生なのに、何か違う生き方をしたいと思わないのかと問うてみた。すると彼はこう言ったのだ。
「心筋梗塞を起こして、奇跡的に死なずに済んで、そこからリハビリをやって体もだいぶよくなったけれど、でも飛距離は未だ心筋梗塞を起こす前の8割くらいしか戻っていないんですよ。飛ばなくなってしまったんです。自分は、これまでに人生の多くの時間をドラコンや飛ばすことに時間をかけてきたんです。だから、2割飛ばないまま後悔して終わることはできないんですよ」。
人は、自分には違う人生もあったと思うかもしれないけれど、山崎泰宏はそれは違うという。人間の短い一生で究めることができるのは一つだけ、それほど多くはない。
山崎は、3月11日に一年前に倒れた山口での舞台に立った。宇部72カントリークラブ 阿知須コースで開催されたドラコンのシーズン開幕戦。1年前に立つことが出来なかったこの舞台で、この1年で失われた2割のロスを埋めることができるのか。
JLDC開幕戦の山口大会で、マスターズ部門(45歳以上)で1戦目は324ヤード、2戦目は321ヤードをマークして2連勝を果たした山崎泰宏。一年前には立つことが出来なかったこの山口での復活優勝に感慨も一入だった。
「今年は、スイングスピードも落ちているようだし、球の飛びもあまり自信なかったんですけど、マスターズの中に入れば当たればまだ勝てるという手ごたえをつかめたので、今年も日本チャンピオン目指して頑張れるかなと思います。去年、この山口大会に来たけれど、心筋梗塞の発症でティグランドには立てなかったことの思うと、一年後のこの大会に、健康な体で立てたことは良かったかなと思っています。 52歳でここまで飛んでいればいいかなと、心筋梗塞をやってからは、ダメだなと思うのじゃなく、自分を褒めるようになりました(笑)」
一年前には立つことが出来なかったこの山口での復活優勝に感慨もひとしおだった。(取材・文/古屋雅章)
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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